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なぜパパとボク? 「スペーシア PAPABOKU KITCHEN」を作ったデザイン担当者を直撃【TAS2024】

なぜパパとボク? 「スペーシア PAPABOKU KITCHEN」を作ったデザイン担当者を直撃【TAS2024】

この記事をまとめると

■東京オートサロン2024に鈴木がブースを出展

■スペーシアをカスタマイズした「スペーシア PAPABOKU KITCHEN」を展示

■このクルマを担当した松原さんにお話を伺った

スペーシアギアとは異なる魅力を探す

 いまや東京オートサロンにも多くのメーカーが出展していますが、カスタマイズカーの祭典としてモビリティショーとは異なる雰囲気を創り出しているのが特徴です。そんなメーカー系から気になるデザインのクルマについて、担当者に直撃インタビューを試みました。今回はスズキブースから「スペーシア PAPABOKU KITCHEN」を直撃です。

 昨年末に発表したばかりの新型スペーシアですが、早くも魅力的なカスタマイズカーが登場。会場では同車を担当した四輪デザイン部の松原さんにお話を聞くことができました。まずは企画の趣旨から伺ってみましょう。

「最初にスペーシアのアウトドアモデルのコンセプトカーを作ろうという話があって、そのターゲットユーザーを父親と息子と犬1匹としたんですね。父親はアウトドアでの料理が大好きという想定で、その趣味を最大限に生かせるクルマを考えたワケです」。

──それは、次期のスペーシアギアを想定したクルマなのですか?

「いえ、今回は純粋にスペーシアのアウトドアコンセプトということで、いまどのような需要があるのか深堀りすることがテーマでした。なので、とくにギアを意識した企画ではありません」

──なるほど。ちなみに、なぜ父親と息子の組み合わせなのでしょう?

「やはりスペーシアのメインユーザーが女性なので、今後は男性のお客さまにも訴求して行きたいと考えた結果ですね」

──では、独特のカラーリングについて狙いを聞かせてください。

「アウトドアの趣味性や道具感を表現するため、エクステリアでは「カッコよさ」を重視したカラーリングを目指しました。ただ、一般的な「カッコよさ」を狙うともっと彩度を落とした色になりがちなので、そこは父親と子供として「可愛さ」とのバランスをとっています。一方で、インテリアは子供の楽しさや優しい雰囲気を重視し、エクステリアに比べると彩度の高い色合いにしています」

──ボディカラーではブラウンのルーフもユニークですね。

「はい。今回はベージュを基本に3層構造のカラーリングで、下部は黒板塗装のマットグリーンでボディを囲み、タフで力強い表情としています。このグリーンにはメタリックを混ぜることで豊かな陰影も実現しました。で、この2色を引き締める役割として、サテン調のブラウンをルーフやドアミラー、ドアハンドル、ステップ、ホイールなどに施しているんです」

──エクステリアの専用パーツはどの部分になりますか?

「ランプまわりやグリル関係はすべて新規ですね。特徴的なドアのヒンジは市販品をブラウンに塗ったものです。このヒンジについては『よくドア面に干渉しないですね?』と言われることが多いんですよ(笑)」

──では最後に。今回このクルマを手がけてみてどんな手応えを感じましたか?

「そうですね、最初はもっと彩度の低いカッコいいクルマをイメージしていたのですが、それではいまのアウトドアのトレンドとはズレてしまうし、多くのお客さまにも喜んでもらえないと仕切り直しをしました。そうしたターゲットの背景などを勉強するいい機会になったと思いますね」

──たしかにスズキらしくよく練られたカスタマイズカーですね。本日はありがとうございました。

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