内装の作り込みも凄い!
内装も相当に作り込まれていて、トラストの4連メーター追加と、バンザイレーシングB.R.E.オリジナルコンペステアリング、そしてウッドのシフトノブが目を引く。正面の2連メーターは純正ママイキで、速度計が120km/hなところは微笑ましい。
注目はシートで、純正シートをビニールレザーに総張り替えされている。しかも1列辺り3連で打たれた通気孔スタッドがゴールド仕上げ、かつ妙にダットサン純正風で、フロンテクーペ風とは言わせない迫力がある。カタチは全然バケットシートじゃないにもかかわらず、見る者の目をバグらせるディティールを心得た、ニクい仕上がりといえるだろう。
フロントに目を移そう。グリルからパイプがハミ出ちゃうのは懐かしのKPGC10のオイルクーラーホースだった気がするが、スズキの550㏄エンジンが前方排気だったことを思い出せば、輝く3本エキマニのシブさが際立つというもの。ボディ右下から2本のサイド出しに至る排気系はオリジナルだそうだ。
実車を拝むのは無論、必須だが、足を止めて眺めているオッサンたちの、なぜか満たされた笑みを一歩引いて観察するのも、なかなかオツな楽しみ方といえる。トドメに驚くべきは、この幻のちびメリと周囲のカスタムカーは学生の卒業制作なので、最終的には車検を取って公道を走れるようにしないと、単位にならないのだそう。
「当然、計画の段階から、その辺の輩(ヤカラ)のやるクルマ弄りじゃないんだから、車検公認が前提だぞ、という指導はしています。でもまぁ、学生は発想が自由なもので」と語る教官先生たちの、どこかほくほくした表情まで、滋味深い展示だった。
公道でもし見かけることがあるならば……まさにケンメリレーシングを超える幻かもしれない!