この記事をまとめると
■スポーツカーでデザートカスタムがトレンドとなりつつある
■東京オートサロン2024の展示車両のなかから気になるボクスターを発見
■リフトアップしたボクスターはオフロードマシンの製作で定評があるプロスタッフの作品
レアなカスタムモデルを発見!
カスタムのトレンドや、最新パーツについて知るのにオートサロンほど適した場所はない。いまや世界的な流れとなっているデザートカスタム、すなわちスポーツカーに太く大きなブロックタイヤを履かせてリフトアップ、アニマルバーを彷彿とさせるプロテクトバーなどを装備する手法は当然、オートサロンでも発見することができた。
これまで、ポルシェのリフトアップカスタムは本家のダカールをはじめとした911が主流だった。なかには4気筒FRモデルで果敢にラリー仕様を作ったファクトリーもあったが、ミッドシップのボクスターをベースとしたサンプルは極めてレアに違いない。
カスタムを手がけたのは、オフロードマシンの製作で定評あるプロスタッフ。クロカンのリフトアップから軽ワゴンのオフロードカスタムなまで、そのレパートリーは幅広い。また、実際に岩場の道なき道を走破するロックレース車両を作り上げるだけの技術力もあるとくれば、ボクスターのオフロードマシンにも期待が募る。
オートサロンで展示されたサンプルを見ると、まずはリフト量70mmという車高の高さに目が奪われるはずだ。リフトアップとひとくちにいっても、ダンパーを伸ばすだけというお手軽カスタムも少なくないが、プロスタッフはダンパーブラケットからエンジンマウントまで、駆動系レイアウトすべてに専用パーツを自社で設計・製作しているという。
手軽にダンパーだけで車高を稼いだとすると、ギヤボックスから伸びるドライブシャフトとホイールハブに角度がついてしまい、余計な応力負担が生じてしまう。実際、ポルシェ959がダカールラリーでリタイヤしたのはこれが理由だ。プロスタッフは、ダンパーマウントを3Dタイプに変更したことに加え、エンジンマウントの最適化も実施。駆動系のストレスを見事に避けているのだ。
このシャシーに装着されたのは16インチのブロックタイヤ&ホイールで、ジムニー用のホイールにボクスター専用のスペーサーを製作、ホイールハウスに適合するようフィッティングされている。ちなみに、スペーサーもまたプロスタッフによる製作であり、切削加工技術の高さには驚きを禁じ得ない。
さらに、プロスタッフではスポーツマフラーをはじめとしたパーツブランド「ZEAL」を擁しており、このボクスターにもステンレスパイプをきれいに加工したエキゾーストシステムを搭載している。オートサロン会場でエンジン音を聞くことはかなわないものの、出来栄えを見れば快音が想像できるはずだ。
今回の出展車両はコンプリートカーとしてプライスタグもつけられていたが、プロスタッフではパーツ単品の販売も行っている。中古車価格がこなれてきたボクスターだけに、流行りのデザートカスタムを自身で作り上げるという夢が大いに広がりそうだ。