テスラが値下げで中国系ブランドのBEVとタイでガチバトル! 本国アメリカでも「ブランドイメージ」に変化の兆し (2/2ページ)

バンコクのモーターショーで感じたテスラの本気度

 2023年9月に南カリフォルニアを訪れ、現地在住の事情通に話を聞くと、テスラが値下げしたことによって購買層に変化が出てきていると話してくれた。

「それこそ最近までは富裕層の日常生活の移動手段としての需要が目立っていました。しかし、値下げにより富裕層はテスラから離れつつあります。その代わり、テスラ・モデル3などがトヨタ・カムリやホンダ・アコードなどのユーザー層をメインターゲットにしつつあります。この辺りのモデルは、日本のサラリーマンでたとえれば「課長クラス」の人がよく乗っています。収束の見えないガソリン価格の高値傾向もあり、トヨタのHEV(ハイブリッド車)に乗り換える人もいますが、さらにテスラに乗り換えるという動きも目立っているように見えます」。

 かつては、東南アジアにおけるテスラ車のイメージは、「富裕層の移動手段」といったところであった。ドイツなど欧州系高級車を所有しながら、セカンドカーとして所有しているテスラにて買い物などに出かけるというのがデフォルト。

 あくまで私見だが、テスラは値下げにより東南アジアなどで新しいユーザーを開拓しつつ、販売のボリュームゾーンを移しているようにも見える。BYDなどの価格的にも魅力の高い中国系BEVに対しても十分に価格競争力があり、しかも「テスラ」という世界的なブランドパワーが強力な武器になっている。

 これまでバンコクのモーターショーの会場でテスラのブースを見た記憶が筆者にはないのだが、今回のバンコク・モーターエキスポ2023では、小さいながらもテスラがブースを構えていた。意外に思える一方でタイ市場への「本気度」を見たような気がしている。

 日本では間もなくBYDがシールを発売するとされている。

 日本でもモデル3とガチンコで販売競争を展開していくことになるのだろうか。


小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

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