シート地とかじゃなくてクルマ全体で「デニム」を表現! ビームスと日産がコラボしたROOXの担当者に直撃インタビュー【TAS2024】 (2/2ページ)

かつてのパイクカーシリーズのような佇まいを

──エクステリアでも濃いブルーは部分的なアクセントとして使われていますね。

「じつはこのボディカラーは、1980年代の日産のパイクカーシリーズもイメージしています。さりげなさのなかに本物がのぞくような、いまの時代の価値観とあのパイクカーシリーズの佇まいに近いものを感じるんですね。ですから、メインは柔らかなベージュとし、ブルーはそれを邪魔しない程度に抑えました」

──ビームスといえばオレンジのイメージも強いですが……。

「そこはいい意味での裏切りというか、あくまでコンセプトで「らしさ」を感じて欲しいなと。ただ、よく見ていただくとホイールに一部オレンジを入れているんですよ(笑)。コンセプトカーはインパクト重視で見せる例が多いですけど、そういう探す楽しさのような見せ方にしたかった」

──フロントランプのまわりにブラックのアクセントを入れるなど、顔はかなり優しいイメージに変えましたね。

「はい。先のパイクカーにつながるイメージもありますし、使い込むことで馴染んでくるデニムを表現するには、こうしたホワッとした優しい表情が似合うだろうと。ちなみに、ボディの各所に施しているホワイトのラインは、先の裏地の「耳」を表現したものです」

――最後に、今回の企画をやってみてどのような感想を持たれましたか?

「普段、服を作ったりバイヤーを担当しているなかで、こんな経験ができるとは思いませんでしたね。市販できるか否かは別として、とにかく自分が欲しいと思えるクルマに仕上がったと思います。結果として、日産さんとビームス両社がハッピーになったんじゃないでしょうか」

――ファッションとクルマのコラボとしては、かなりユニークな提案となりましたね。本日はありがとうございました。


すぎもと たかよし SUGIMOTO TAKAYOSHI

サラリーマン自動車ライター

愛車
いすゞFFジェミニ4ドア・イルムシャー(1986年式)
趣味
オヤジバンド(ドラムやってます)/音楽鑑賞(ジャズ・フュージョンなど) /カフェ巡り/ドライブ
好きな有名人
筒井康隆 /三谷幸喜/永六輔/渡辺貞夫/矢野顕子/上原ひろみ

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