ファン垂涎のスーパーカーが続々誕生
まず、メルセデス/AMGが開発したマシンが、6000ccのV型12気筒エンジンを搭載した「CLK-GTR」で、25台のロードゴーイングカーが製作され、約2億5000万円で販売。競技車両と同様にカーボンモノコックを採用したマシンだったが、車高調整機構やパーキングコントロール、トラクションコントロールなどのデバイスのほか、エアコンやオーディオなどの装備が備えられていた。
また、ポルシェも1996年のル・マン24時間レースに合わせて911をベースに3100ccの水平対向6気筒ターボエンジンをミッドに搭載したGTカー「911 GT1」を開発しており、1997年よりFIA-GT選手権に参戦。
同モデルも公道仕様のストリートバージョンがリリースされており、エンジンに関してはヨーロッパの排ガス規制に合わせてデチューンされていたようだが、1100kgというライトウエイトでありながら、500馬力以上の出力を備えるなど、まさにナンバーを装着したレーシングカーという仕上がりとなっていた。
そのほか、イギリスのコンストラクター、マクラーレンも1994年にスーパースポーツのマクラーレンF1をベースに、ル・マン24時間レースへの参戦をターゲットにしたLMモデル「マクラーレンF1 LM」を開発したほか、1997年のFIA-GT選手権に合わせて「マクラーレンF1 GTR」を開発している。
そのレース仕様車、マクラーレンF1 GTRのホモロゲーションを取得するために公道仕様のロードゴーイングモデル「マクラーレンF1 GT」を開発。6000ccのV型12気筒エンジンを搭載したモンスターマシンで、合計3台が製作された。
そのほか、トヨタも1998年のル・マン24時間レースに「GT-ONE TS020」を投入すべく、車両公認用のロードゴーイングモデルを開発および登録。
まさに1990年代はレーシングカーと同時に公道仕様車も開発され、世界に数台だけのプレミアムモデルが存在していた。