気候変動をモロに感じた1月のデトロイトショー取材! 14年連続取材で「死ぬほどの極寒」から「雪すら見かけない」まで変わっていった (2/2ページ)

最後はすっかり雪を見かけなくなった……

 降る雪の「質」も変わってきた。初めて訪れたころはサラサラしたパウダースノーだったのだが、その後は水分を多く含むベチャベチャなものになっていった。2013年にデトロイト市は経済破綻しているのだが、周辺都市の財政状況もおってしるべし状態。アメリカでは除雪をしっかり行うこともあり、降雪地域の冬季でもオールシーズンタイヤ(アメリカでは標準)のままクルマを使っている。路面に雪が積もっていなくても、橋の上などを中心に朝の通勤時間帯は路面凍結することが多いのだが、それでもフリーウェイでは時速100km/h近いスピードで地元の人が走っている様子は冷静に考え、「何かあったら」と考えるとかなり怖かった。そんなこともあり、雪の降り始めはあちこちで事故が発生していたのを覚えている。

 自治体の懐事情が寒くなるにつれ除雪予算も削られているようで、通勤時間帯は別として除雪があまり行き届かなくなったのだが、いまや気候変動でほとんど雪が降らなくなり、自治体としては「災い転じて福」ではないが、除雪予算のセーブに繋がっているのではないだろうか。住宅地などではピックアップトラックユーザーが自車に爪をつけ、除雪アルバイトのようなことをしていたのだが、それもめっきり見かけなくなった。

 デトロイトショーの1月開催最後となった2019年にもなると、滞在中まとまった雪は降らなかった。そして日中の気温が摂氏でプラスになるような「暖冬」ともいえる日になるのも珍しくなくなっていた。雪が降るか、それこそ鉛色ともいえる曇り空が定番だったのだが、晴れ間が広がることも珍しくなくなり、2005年から14年間連続して1月にデトロイトを訪れた結果、日本よりもさらにリアルな気候変動というものを感じることとなった。


小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

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愛車
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乗りバス(路線バスに乗って小旅行すること)
好きな有名人
渡 哲也(団長)、石原裕次郎(課長) ※故人となりますがいまも大ファンです(西部警察の聖地巡りもひとりで楽しんでおります)

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