気候変動をモロに感じた1月のデトロイトショー取材! 14年連続取材で「死ぬほどの極寒」から「雪すら見かけない」まで変わっていった (1/2ページ)

この記事をまとめると

■筆者は異常な気候変動を毎年恒例となっていた1月開催のデトロイトショー取材で感じた

■かつてはホテルから出るだけで「死ぬぞ」と言われるほど極寒だった

■最後の取材では雪を見かけなくなったという

気候変動実感した毎年恒例の1月取材

 ここのところ夏になると全国的に耐え難い酷暑に見舞われる日本だが、それでも冬になると降雪地域の多くは「ドカ雪」にも見舞われる。気候変動により短期間にドカドカと雪が降るのだが、その後は暖冬傾向になり雪が溶け、またドカドカと雪が降ることを繰り返すようになってきている。

 ただし、首都圏の平野部に住んでいるととくにここ数年は雪とは無縁になりつつあると感じるほど、まず雪が積もるということはなくなっている。

 気候変動というか、何かがおかしくなっているというものは日本でも感じることができるが、かつて1月開催であった北米国際オートショー(通称デトロイトショー)へ取材に出かけていた時はそれをヒシヒシと感じていた。

 いまは9月開催となったが、1月開催のころのデトロイトショーへ毎年訪れるようになったのは2005年から。その時、デトロイト国際空港に降り立つと、まさに雪がシンシンと降っていた。空港最寄りに宿を取っていたのでホテルのシャトルバスに乗って宿泊先に向かうと、とにかく街なかは雪が降り積もっていた。チェックインしたあと、近くのリカーショップまで歩いて買い物に行こうとすると、フロントマンが「何をしに行くんだ、外へ出たら死ぬぞ(それぐらい寒いということ)」と言われた。数年後に雪はそれほど積もっていなかったのだが、宿から10分ほどあるいた場所にあるハンバーガーショップへ歩いて買いに行ったのだが、あまりの寒さに「もう歩いて買い物には行かない」と思ったのを覚えている。

 デトロイト周辺では筆者が泊った限りではそれほど高級ではないホテルでもホテル内にレストランがあった。冬季は雪も深く寒いので宿泊者が食事などで外を出歩く手間を省こうという配慮のようであった。

 雪道走行に自信もなかったので、タクシーで会場と宿泊先を往復することが多かった。ある日フリーウェイを走行中、タクシーの前を走るダンプカーの荷台が上がってきて、積んでいたものがゴロゴロと道路に落ちてきた。運転士は「ウープス!」と言いながらステアリングを左右にふってその塊を避けていたので、「あれはなんだ?」と聞くと、「ソルトだ」と教えてくれた。路面凍結を防止するために岩塩をまいていたのである。

 しかし、2005年以降は降雪量が目に見えて少なくなってきた。雪が降ったかと思っても長続きせず、雪がやむと気温が上昇(それでも当時は摂氏でプラスまで気温上昇はしなかったが)して、すっかり溶けてしまうといったことを繰り返すようになった。


小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

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