この記事をまとめると
■オランダの工科大学の学生がソーラーカーの「テスラ・テラ」を開発した
■「テスラ・テラ」は太陽光のみで1000kmのオフロード走行ができるソーラー・オフローダー
■実際にサハラ砂漠を含むモロッコのオフロード1000kmを走破し、実用化が期待されている
オランダの学生が作った世にも珍しいソーラーオフローダー
ソーラーカー、すなわち太陽光パネルで発電したエネルギーで走るクルマは進化のスピードがグイグイ上がっています。ソーラーカーによるレースも世界各国で開催されており、東海大や工学院大の活躍を耳にした方も少なくないかと。争点は発電効率や、航続距離だったりするため、車体は空力性能に特化し、コクピットにしてもギリギリのスペースというストイック、かつレーシーなもの。
ですが、ことレースを離れて自由な視点からソーラーカーを開発すると、意外と楽し気なクルマが出来上がったようです。22名の学生さんが、1年間休学しながら作り上げたのは、世界でも初めてとなりそうなソーラーオフローダー! 太陽光だけで厳しい環境のモロッコを1000kmにわたって走り抜いたというのは、人類全体にとって耳よりなニュースではないでしょうか。
オフロードソーラーカー「ステラ・テラ」と名付けられたマシンを作り上げたのは、ソーラーカーの世界ではあまりにも有名なオランダ、アイントホーフェン工科大学。ソーラーカーレースの甲子園とも言われる、オーストラリアを舞台にしたワールドソーラーチャレンジでは4連覇(クルーザークラス)を成し遂げたほどの実力校で、彼らは2年に1台というペースで新たなソーラーカーを生み出しています。
ちなみに、オランダはソーラーカーの先進国で官民・学生のコンソーシアムまであるのです。現に2023年のワールドソーラーチャレンジでは2・3・6位にオランダ・チームが入賞という輝かしい戦果を上げました。
こうしたお国柄や、レースで培われたノウハウを活かして、アイントホーフェン大はレースカーだけでなく、ファミリーユースできそうなキャビンを備えたステラ・ヴィや、キャンピングカー仕様のステラ・ヴィータといった意欲的な作品も数多く作ってきました。
その都度、新たな提案や性能の先鋭化がなされており、次世代モータリゼーションを担う資質も十分以上に備えていること間違いありません。