N-BOXやムーヴキャンバスが「1千万円」だと!? タイではバカ高い「日本仕様のクルマ」が富裕層に大人気だった (2/2ページ)

予算を度外視してでも日本仕様に乗りたい!

 タイでのN-BOXの販売価格を見れば、どんな人が購入しているのかは自ずとわかってくるのだが、一応事情通に確認してみると、やはり富裕層になるとのこと。「自宅にメルセデス・ベンツやポルシェなどのメインユースのクルマがあるなかで、“オシャレ感覚”で乗っている人がほとんどのように見えます」(事情通)

 さらにユーザーの絞り込みを事情通が行ってくれた。「バンコク中心部にはまだ古いお屋敷街が残っており、そのような地域のソイ(通路)は狭いです。そのため、お屋敷に住む奥さまやお嬢さんが自分でクルマを運転してお買い物へ行くときなど、『小さい軽自動車が便利』という実用性を考慮したセレクトもあるのではないかと考えます」

 2023年春にバンコクを訪れたときには、別の現地在住の知人から「ダイハツ・ムーヴ キャンバスがお金持ちの間でちょっと流行っています。ただし価格は1000万円ほどします」という話を聞いた。

 そして、たまたまバンコク中心部でピンクとホワイトの2トーンカラーのムーヴ・キャンバスが走っているのを見かけた。ムーヴ・キャンバスあたりなら、事情通の分析どおり富裕層の奥さまやお嬢さんが運転しているのかもしれない。

 タイというか、東南アジア全体に言えるのだが、同じ富裕層と言っても、日本のそれとはスケールがまったく異なり、まさに大富豪という表現が似合うほどのスーパーリッチ層となっている。日本仕様のアルファードやヴェルファイアも「金に糸目はつけないので、正規輸入モデルではなく日本仕様に乗りたい」というニーズが目立つとも聞いている。

 筆者のような日本人からすると、“軽自動車が1000万円以上”となれば、「えっ~!」となるが、正規輸入販売されておらず、1000万円以上払って乗ろうという人もいない日本の軽自動車だが、タイでは目立ち度抜群で富裕層にはコスパがいいのかもしれない。


小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

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