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速けりゃいい? 2シーターのMRが条件!? 永遠のテーマ「スーパーカーってなんぞや」をスーパーカー大王が考えてみた (2/2ページ)

速けりゃいい? 2シーターのMRが条件!? 永遠のテーマ「スーパーカーってなんぞや」をスーパーカー大王が考えてみた

この記事をまとめると

■スーパーカーにはそのクルマがスーパーカーであるとする確たる定義が存在していない

■2シーターモデルに関してはスーパーカーと位置付けることにもちろん抵抗はない

■最近はスーパーカーの上をいくハイパーカーも登場しており、スーパーカー議論はますます白熱しそうだ

何度も繰り返されてきた疑問「スーパーカーとは?」

 このクルマはスーパーカーと呼べるのか。自分自身も、そしておそらくは読者の方々も、これまで何回にもわたって繰り返されてきた疑問だと思う。なぜこの問いに明確な答えが出ないのかというと、それはそのクルマをスーパーカーとする確たる定義がないからなのであり、したがって自分がそれをスーパーカーの仲間だと思えば、それでよいというところで常に議論は終わってしまう。

 今日から「マルチシリンダーのエンジンをミッドシップした2ドア車で、最高速は300km/h以上を可能にするクルマのみがスーパーカーの定義ですよ」、などという決まりができればスーパーカーか否かの線引きは簡単なのだが……。

 そもそもスーパーカーというジャンルは、この日本で誕生したものと言われている。そのきっかけとなったのは、スーパーカーのファンならば誰もが知る、1974年に連載が開始された池沢さとし氏(当時)の「サーキットの狼」。ここにはさまざまなクルマが登場するが、主人公の風吹裕矢の乗るロータス・ヨーロッパからして、まずそれがスーパーカーなのかどうかの疑問が残る。

 のちに池沢先生に聞いたところによれば、漫画の世界では「弱き者が強き者を倒す」のが大原則であり、車高が1mもなかったロータス・ヨーロッパは、絶対的な速さではほかのスーパーカーにはかなわないものの、そのコーナリング性能などで強き者を倒すには絶好の存在だったとのこと。それがいつしかスーパーカーの象徴的な存在となってしまったわけである。

 同じロータスのエスプリは、1975年にパリサロンで発表されたS1が生産を開始したばかりだった。ジウジアーロによるボディデザインは、直線を基調とした端正なものでスーパーカーたる美しさは十分に持ち得ていたが、ミッドに搭載されていたパワーユニットは、2リッターの直列4気筒。最高出力は160馬力(日本仕様は140馬力)にすぎなかった。

 だが、エスプリはここから積極的に進化を続け、1987年にはニューシェイプのボディにモデルチェンジ。そこからもターボエンジンの搭載や、最終的にはデビューから20年を経て3.5リッターのV型8気筒ターボエンジンを354馬力で採用することに成功するなど、スーパーカーとしての高性能化を続けていく。現在ならば間違いなく、スーパーカーの一台としてその存在を誇示できたに違いない。

 フェラーリ、ランボルギーニ、マセラティのイタリア御三家の作は、すべてスーパーカーかといえばそれも違う。

 もちろん現在のフェラーリ・プロサングエや、ランボルギーニのウルス、マセラティのレヴァンテ、グレカーレなどは、いずれもスーパーカーに匹敵するパフォーマンスを発揮するが、これらは呼び方こそ各社で異なってもSUVのカテゴリーに属するモデルたち。

 2シーターモデルに関してはスーパーカーと位置付けることにもちろん抵抗はない。

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