日産GT-R R35の特徴・魅力を一挙紹介! (2/2ページ)

日産R35 GT-Rの特徴・魅力は? 何がすごいの?

プレミアムミッドシップパッケージ

 R35 GT-Rの象徴ともいえるのがプレミアムミッドシップパッケージ。エンジンを通常より後ろに配置。重心点を前軸より後ろにし、デフと一体化したトランスミッションを後軸より前へ配置。それらをトランスファーで繋いだレイアウトとなります。

 このレイアウトにより四輪の設置荷重が安定。最高時速が300km/hを超えるR35 GT-Rにふさわしい最適な前後重量配分を備えました。

 また、トランスアクスルユニットは通常の車両と比べて低い位置(リヤホイールセンターより低い位置)に搭載。後軸上の重心位置を下げています。

3.8リッターV6ツインターボエンジン

 エンジンはR35 GT-Rのために新設計されたVR38DETT型3.8リッターV6ツインターボエンジン。開発時は大排気量V8エンジンなども検討されたようですが、先ほどお伝えした重量配分を実現するため、V6エンジンをふたつのターボで過給することに決まったようです。

 このエンジンには吸入空気を効率よくシリンダーへ送るためのツイン吸気システムや、ふたつのターボチャージャーのバランスを調整しながら過給するクロス過給システムなどを採用。

 デビュー時の最高出力は480馬力。その後、2015年モデルは550馬力、さらに2017年モデル以降は570馬力まで高められました。

 また、エンジンは職人の手により1基をひとりが組み立てるのが特徴。基本設計に優れたエンジンだったことでデビューから同エンジンを現在まで改良しながら搭載し続けています。

完全独立型トランクアクスル4WD

 R35 GT-Rの特徴のひとつがフロントにエンジンを搭載、リヤにクラッチとトランスミッション、独立型トランスファーを配置した完全独立型トランクアクスル4WD。

 トルク変動による振動を受けやすいトランスアクスル方式ではなく、カーボン製プロペラシャフトを採用したことでトルクチューブを廃しトランスミッションを分離。完全独立型としたことでパワーユニットの振動を排除することができました。

 前後サスペンションはフロントがダブルウイッシュボーン式、リヤはマルチリンク式を搭載。V36型スカイライン用をベースに強化し、強度・剛性ともに高められています。

どのモデルにも似ていないデザイン

 R34型スカイラインGT-Rの後を受けて登場したR35 GT-R。R34型まではスカイラインをベースにエアロパーツなどで武装していたことに対して、同車は新規車種。“GT-Rらしさ”を課題にデザインが決定ました。

 国内外のデザインセンターを巻き込むグローバルスケッチコンペを開催するなどでデザインを模索。最終的に世界中で販売されるどのスポーツカーにも似ていないオリジナルデザインが完成しています。

 フロントフェンダーの張り出しや特徴的なCピラーの折れ線など、個性的なエクステリアデザインはスカラインGT-RのDNAを備えつつもオリジナリティ満載。

 2017年モデルから外観が変更されたR35 GT-Rですが、そのテーマとなったのは2014年に発表された2020ビジョン グランツーリスモでした。

 同車はレースゲームソフト『グランツーリスモ』用にデザインされたコンセプトカー。マイナーチェンジで変更されたVモーショングリルなどのフロントマスクなどにコンセプトカーの影響を見て取れます。

日産R35 GT-Rの価格はいくら?

 現在、販売されているR35 GT-Rのグレードと価格は以下の通り。デビュー時の標準モデルは777万円、もっとも高価なPremium editionでさえ834万7500円だったことを考えると、16年経った現在の価格は約2倍となりました。

まとめ

 デビューから長い年月が経っているものの、いまだに世界第一級の性能を維持しているR35 GT-R。最新モデルとなる2024年モデルはグレードによっては手に入れることが難しいなど、高い人気を維持し続けています。

 ぽつぽつと次期モデルの噂が出てきていますが、パワーユニットをはじめ現行モデルとは大きく異なるのは確実。GT-Rがどのように進化するのか、いまから楽しみでなりません。


手束 毅 TEZUKA TSUYOSHI

フリー編集者/ディレクター

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