納車費用とは? 相場はいくら? 新車・中古車の購入には納車費用の有無が鍵だった (2/2ページ)

新車・中古車別の納車費用の相場

 新車と中古車、また購入者が指定する場所までの距離などで納車費用は異なりますが、新車だと7000〜1万円円、中古車であれば5000〜1万円程度と言われています。ただ、両車とも遠方への輸送が必要となると費用がかさむのは必須。インターネットで中古車を購入して自宅まで陸送してもらう場合などには10万円を超えるケースも少なくありません。

値引きに積極的と見せるためにわざと納車費用を計上することも

 納車費用はいまでも存在する諸費用。これは、購入した新車をセールススタッフが購入者の自宅や勤務先などの指定先に持っていき、新車を納める手数料となります。大昔には、新車はお客の指定先へ持ち込んで納めるのが当たり前でした。

 一般的にはセールススタッフが自ら運転し、自走して持ち込むことになりますが、輸入車ではキャリアカーに載せていくこともあるとのこと。“大安納車”は当たり前で、タイヤの四隅に塩を盛り、かなり“儀式的”な納車を行うお客もいれば、自宅へ来るときの方位や道順にこだわるお客などもいて、風変りな納車も多かったようです。また、一部のお客はセールススタッフへの心づけ(チップ)を用意しているケースもあったりしたようです。

 しかし、いまは店頭での納車が当たり前となっているのが現状。その理由としては、販売現場の人手不足があります。

 いまでこそ数は減りましたが、土曜や日曜が大安ならばその日の納車台数はかなり多くなるため、セールススタッフの数が少ないなか、せっかく多く受注が期待できる週末に納車でセールススタッフが出払っていては、商売にならないというのが大きいようです。

 ごくまれですが、納車へ向かう途中に事故を起こしたり、希望先へ新車を持って行ったら車体に傷がついていて、納車途中に傷がついたのではないかとしてトラブルになるなどのリスクを避ける意味もあるのも理由のひとつ。

 もちろん、納車費用というものを払えば、いまでも希望先まで新車を持ってきてくれますが、店頭納車が原則で納車費用が発生しないことになっているなかでも、見積書に納車費用を計上してくるディーラーがあります。

 この場合、値引き交渉の際に「それでは店頭での納車ということで納車費用をカットしましょう」とセールススタッフがいうことで、値引きアップに積極的であるということをアピールしようとしているのです。

 そういう意味では、初回見積りから納車費用を計上しないで、「この店では店頭納車が原則なので納車費用は計上しません」とする店舗のほうが良心的と考えていいでしょう。

中古車の納車費用に関する注意点

 ここまで納車費用について記してきましたが、改めて注意点をお伝えしましょう。

購入時に納車費用の明細を確認

 冒頭からお伝えしているように、納車費用とは販売店によって内容が異なります。そのため、店頭納車しても費用が計上されていることや必要ない経費が含まれることもあります。クルマの購入時、納車費用が発生する場合には、計上された経費の内容を確認することで購入時の経費をおさえることができます。

販売店から納入場所が遠くなると費用がかさむ

 納車費用がいろいろな経費の合算だとお伝えしてきましたが、もっとも大きい費用となるのが陸送費であることは間違いありません。

 当然、ネット注文などで販売店から遠方へ車両を陸送してもらう場合は費用がかさんでしまいます。

 車両を安く購入したいため、ネットで中古車を購入したのに納車費用が高額になってしまうと本末転倒。陸送代だけでなく陸運局での手続きも依頼した場合、納車費用が高額になることを認識しておきましょう。

費用を抑えたい場合は店舗へ引き取りに行く

 クルマを購入する際、車両代金だけでなくなにかと費用がかかるのは御存知の通り。車庫証明を自ら取得するなど、その経費を抑えるにはさまざまな方法がありますが、納車費用をカットするもの効果的です。

 とくに納車費用のうちでもっともウエイトを占めるのが陸送代。店舗へ向かうことができる場合は新車・中古車かかわらず店舗納車とし納車費用を抑えることが効果的です。

まとめ

 クルマ購入時、よくわからない費用のベスト3には入ると思われる納車費用。本文で紹介したように、販売店によってその内容は異なりますが「陸送費=納車費用」ではないことを理解しておきましょう。

 そこを理解することで納車費用にかかわる無駄なコストを抑えることも可能。購入時の費用を抑えたい場合は、納車費用の項目を確認することが必須です。


手束 毅 TEZUKA TSUYOSHI

フリー編集者/ディレクター

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