グランエースの祖? グランビアとは
グランビア(1995年)
ミニバンの人気がいまほど高くなかった1990年代、広大な居住性を有したラグジュアリーモデルといえばハイエースワゴンでした。事実、3代目(1982年)、4代目(1989年)ハイエースワゴンには高級ワンボックスと称したラグジュアリーテイストの内装を備えたグレードが用意されています。
ただ、5代目ハイエース開発中の1995年、ラグジュアリーワゴン仕様を新たに独立させたようなグランビアを発表しました。
とはいえグランビアはハイエースとは異なり、セミボンネットのFRレイアウトを採用。全幅も1800mmと全車3ナンバーサイズとなっています。
グランビアは3列シートの7人乗りと8人乗りを用意。2列目シートが3人がけか2人乗りキャプテンシートかが両タイプの違いとなります。
そのシートはフルフラットをはじめ、当時の1ボックスワゴンでは定番だった回転対座モードなど多彩なアレンジを採用。3列目シートは945mmのスライド機能を有していました。
パワーユニットは1KZ-TE型3リッター直4ターボディーゼルと3RZ-FE型2.7リッター直4ガソリンエンジンをラインアップ。1997年のマイナーチェンジで5VZ-FE型3.4リッターV6ガソリンエンジンが新たに追加されました。
グランビアは高級感を備えたインテリアとキャブオーバーベースの1ボックスワゴンにはない軽快な走行性能を誇っていたことで新たなミニバンの価値観を創出。
2002年生産が終了しましたが、同様のコンセプトは初代アルファードが受け継ぎました。
また、海外で販売されるグランエースはグランビアとして販売されています。
まとめ
従来の国産車が持っていない巨大なボディや多人数での快適移動空間を備えたグランエース。同コンセプトを有するハイエースグランドキャビンとは異なり、豪華で極上のインテリアを備えているため、VIPの送迎にも活用可能です。
一般ユースが購入を考えるミニバンではないため知名度は低いものの、パッセンジャーカーとしての実力は高く、その存在感は圧倒的。
各メーカーから多彩なモデルが販売されているミニバンのなかには、こんな変わり種があることを覚えておきましょう。