トラックだけが規制緩和されることも
そのほか車両の種類、重さ、高さによる制限もある。大型貨物等、となれば大型トラックやダンプ、トレーラー、重機などが対象となりそうだが、前述の住環境や道路構造の問題となれば、中型トラックでも規制の対象になることもある。そのため、補助標識にて車両重量上限を加え、小型トラック以上の通行を制限するエリアもあるのだ。
ちなみにこれらは補助標識で指定されることが多い。補助標識とは大きな標識の下に追加されている小さな四角い標識で、トラックの図柄のほか、文字で最大積載量などが指定されている。
大型車通行止めの標識の下に「積3t」の補助標識が追加されたものは、最大積載量3トン以上の貨物車に適用されるもので、大型トラックだけでなく中型トラックなども対象となるのだ。
黄色く四角い(ダイヤ形)標識は、警戒標識と呼ばれるもので、規制ではなく運転に気を付ける意味で設置される。山道では落石注意などの標識を見かけることもあるが、トラックに関連したものは日本では見かけない。しかし、長く急な下り坂ではトラックのブレーキが焼けて制動力が低下してしまうため、海外では勾配注意の標識はトラックの絵柄とともに勾配率が表示されているところもある。
トラックの通行が制限される標識がある一方で、法律で定められた規制を緩和している地域もある。それが緩和指定道路の標識で、通常は高さは3.8mまでに制限されている高速道路を通行する車両の高さが、さらに高い4.1mまで許されていることを示すものだ。これらは案内標識と呼ばれ、高さ以外にも重量や車幅など、原則として上限がある規制値を超えて通行できることを示している。
また、宅配便など貨物専用に仕分けや荷下ろしなどのために一定時間の駐車を認めているエリアには、そうした標識もある。都市部などでは貨物車駐車可の標識が多く見られる。
仕事や生活のために物流はなくてはならないものだから、必要に応じて、こうした対応がとられるのだ。