アルミにカーボンまで使われ始めている! トラックの軽量化には「乗用車」とは違う狙いがあった (2/2ページ)

荷台部分には高性能な素材を採用

 このほかトラックで軽量化が有効なのは荷台部分となる。荷台部分はコストを考えると鋼板を使うのが一番いいが、それでは重くなったり荷物や地域によっては腐食による寿命の短さもある。

 そのため一般的にはアルミ合金パネルを利用して軽量化と美観、耐久性を高めている。デッキに木材を利用しているのは軽量化だけでなく、衝撃吸収性の高さによって走行中の衝撃を緩和して積み荷のダメージを抑えるにも有効だ。木材は圧縮荷重にはとても強く、柔軟性にも富んでいるから荷台のデッキ材として非常に優れているのだ。

 しかし耐久性ではアルミ合金の方が優れていることから、アルミ合金のデッキも多く、目的によって使い分けられている。

 パネルバンやウイングボディの荷台パネルは軽量化をしやすい部分だ。ただし冷凍車などは断熱性も求められるから、軽くて断熱性の高い断熱材を開発して採用するケースも進んでいる。

 他方、外板パネルはアルミからさらに軽いCFRP(炭素繊維強化プラスチック=カーボンファイバー)が採用され始めている。これはレーシングカーや航空機などに使われる強靭で軽量な素材であり、ついにトラックにも使われ始めているのだ。

 一見ただの白いパネルに見える写真は、ウイングボディのトラックのパネル部分に採用されたCFRP。表面にダイヤ状の凹凸が見えるのは、カーボンファイバーのクロスが使われているからだ。


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