この記事をまとめると
■再生タイヤの需要は年々高まっている
■トラック用タイヤのうち2割弱がリトレッドタイヤだ
■リトレッドにはいくつか方法がある
リトレッド用タイヤは進化している
クルマやオートバイ、自転車にはタイヤが使われている。航空機も地上にいるときにはタイヤが機体を支えている。現在の空気入りタイヤは、ダンロップ創業者のジョイ・ダンロップが発明した。1888年に子どもの自転車の乗り心地を良くするために考案したエピソードは、よく知られている話だ。
自転車と比べ、オートバイやクルマは大きく重く高速で走行するため、タイヤに対する負担は大きく、グリップ性能はもとより、信頼性や耐久性といった品質が重要視される。価格も大事だが、仕事中にタイヤにトラブルが起これば損失は膨大なだけに、品質が一番大事なのだ。
とりわけトラックは、配送用でも長距離輸送でも年間の走行距離が桁違いに長く、荷物を積んで車両重量も重くなるため、タイヤにかかる負荷は格段に大きい。そのためタイヤの構造や強度は、乗用車とは比べ物にならないほど頑強に作られている。そうしたタイヤは通常の使用ならば、トレッド表面のゴムが摩耗しても構造としてのタイヤの機能や強度は十分に確保されている。そのため、トレッドゴムを貼り替えればまだまだ使うことができるのだ。表面を均一に削り落として、トレッド部分のゴムを貼り付ける、リトレッドして再生していく。
それが再生タイヤ、最近は更生タイヤと呼ばれているリトレッド(表面のトレッドゴムを貼り替えた)されたタイヤだ。再生タイヤの需要は年々高まっている。近年ではトラック用タイヤのうち2割弱がリトレッドタイヤとなっているのだ。
ちなみに航空機用のタイヤも再生タイヤが使われている。空港や整備場で駐機している以外は、離着陸時に役立つだけで、飛行中は格納されているだけ。着陸時の負担が大きく、トレッド表面のゴムが摩耗しても構造材は意外と劣化していない。
そのため航空機用のタイヤは5〜6回はリトレッドされて使い続けるのが一般的になっている。