この記事をまとめると
■いま世の中は空前の旧車ブームだがこの旧車ブームは商用車にも押し寄せている
■トラックの旧車で人気があるのは日野レンジャーや三菱ふそうキャンター
■トラックの中古車事情について解説
トラックにも旧車ブームが到来
いま、世は空前の旧車ブームである。程度にもよるが、たとえば1970年代に人気のあったS30型と呼ばれる初代の日産フェアレディZや3代目の日産スカイライン(通称:ハコスカ)などが1000万円前後で店頭に並んでいる。どちらもレストアされているとはいえ、当時の新車価格と比べると4~5倍のプレミアがついている。何もスポーツカーばかりでなく、サニーやカローラといったファミリーカーやサニーバネットやタウンエースのような1BOXも、1970~80年代車であれば程度がいいと当時の新車価格より高い200万円程度で売買されている。
こういった旧車ブームは、静かに商用車にも押し寄せているのだ。
年式が古いトラックのなかでも、とくに人気なのは日野レンジャー。イタリアのカーデザイナー、ジョヴァンニ・ミケロッティがデザインを手がけたという1969年にデビューした2代目のモデル、そして1980年に登場した通称「風のレンジャー」とも呼ばれている3代目のモデルだ。
とくに3代目モデルはデビュー当初、丸型4灯式ヘッドライトであったが1984年のマイナーチェンジで角型4灯式に変更され、横スリットの新造形フロントグリルは“シャッターグリル”とも呼ばれ人気が高い。国内では1989年には4代目「クルージングレンジャー」にフルモデルチェンジしたが、海外向けは1995年まで生産されていたこともあってか、比較的部品が手に入りやすいとも言われている。
日野レンジャーは4トン積みクラスのため、サイズも大きく保管場所に困る方もいるかもしれない。そういった場合はもう少し小さい2トン積みクラスがおすすめだ。小型車枠の4ナンバー車であれば、セレナやヴォクシーなどのミニバンとほぼ同じサイズとなる。
この2トン積みクラスで人気があるのは、三菱ふそうキャンター。1973年に登場した3代目、そのフロントグリルの形状から通称「Vキャンター」と呼ばれるモデルから、続く1978年登場の4代目の黄土色がイメージカラーだった「黄金キャンター」、1985年登場の、異角型2灯式ヘッドランプを装備した5代目「角目キャンター」など、幅広い年式に人気がある。
せっかく旧車を買うのなら、王道を外して珍しい車種を選択するのもひとつの手だ。1971年デビューの初代マツダ・タイタンや1976年デビューの3代目日産キャブオール/クリッパー/バイソンなどは、タマ数は少ないもののメジャーな車種ではないため、いすゞエルフやふそうキャンターなどと比べるとイベント会場などでは目を惹く存在だ。