大きな課題はコストの上昇か
とはいえデメリットもある。まず挙げられるのは、現行のトラックがベースとなるものの、脱着にかかわる装置などが必要となるために、車両コストが上昇することだ。それは物流施設も同様で、脱着スペース・荷台留置場などに充てる敷地や、スワップボディに対応可能な設備・人材を用意しなければならない。ただ、これらのほとんどはイニシャルコストなので、ランニングコストが抑えられれば、回収が可能なのではないだろうか。
近年、スワップボディに取り組んでいる企業が増えつつあり、その1社である日本トレクスが「ジャパンモビリティショー2023(場所:東京ビッグサイト/主催:日本自動車工業会)」の日本自動車車体工業会ブース内に出展をした。物流の 2024 年問題解決に貢献する製品として、冷凍機能を持たせたスワップボディ(コンセプト)を展示。ドライバーの運転業務と荷役業務の分離による働き方改革のほか、製品の利便性・輸送効率向上といったメリットを紹介した。
同社ではすでに、スワップタイプのバンボティやアオリ付きボディを商品化し、荷物に合わせて新たな選択肢を提供している。これに、ショーで展示されていた冷凍タイプが加われば、輸送可能な荷物の幅も広くなってくるだろう。2024年問題はすぐそこにまで迫っており、国土交通省も総合政策局物流政策課が主管して検討会を開くなどしている。
一刻も早くインフラを整備して、スワップボディの導入促進を図ってほしいものだ。