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祝・モデューロ30周年! ドリキン土屋圭市が「1999年当時仕様のS2000」から「最新タイプR」まで一気乗りして「実効空力」を語った!! (2/2ページ)

祝・モデューロ30周年! ドリキン土屋圭市が「1999年当時仕様のS2000」から「最新タイプR」まで一気乗りして「実効空力」を語った!!

Moduloブランドは2024年で30周年を迎える

 ホンダの純正アクセサリーブランド、Modulo(以下:モデューロ)が、30周年を迎える。1994年、ホンダ車の用品を手がけるホンダアクセスが、Honda純正アクセサリーのホイールブランドとして立ち上げ、やがて1999年からはエアロパーツやマフラー、サスペンション、さらにインテリアのカスタマイズパーツと守備範囲を広げてきたモデューロは、2013年からコンプリートカーのモデューロXも展開。メーカー純正ならではのハイクオリティと安心感、実感できる確かな機能性で、ユーザーの熱烈な支持を集めている。

 そんなモデューロのエアロパーツといえば、忘れるわけにはいかないキーワードがある。実効空力だ。

 空力と言えば、高速域での安定性を高めるダウンフォースや、燃費向上のための低空気抵抗といった、数値で評価されるものが一般的。しかし、じつのところは、日常的な速度域での車両の挙動にも影響を及ぼしている。実効空力とは、この常用域でも体感できるような空力効果を狙ったもので、ホンダアクセスのエアロダイナミクス開発思想だ。

 足まわりとの複合的なセッティングにより四輪の荷重を均等化することで高い接地性を引き出し、無駄なヨーを抑えた安心感ある気持ちいい走り、快適な乗り心地を全域で実現することを目指すのだ。

 1990年代前半に流行したエアロパーツは、機能面よりもドレスアップ効果を意図したものが主流で、車両本体の空力性能に影響しないことが良しとされた。そんななか、ホンダアクセスは1996年に、5代目プレリュードのエアロパーツで風洞実験と実走による開発をスタート。車両トータルでの空力バランスを考える、現在の製品に通じる思想の礎が形成された。そして、1999年からモデューロブランドでのエアロパーツを展開している。

 今回、モデューロブランドとしては初期のエアロを装着したS2000をはじめ、S660モデューロX、そしてシェブロン形状を採用し話題のテールゲートスポイラーを装着したシビック・タイプRを揃え、実効空力の進化を実走で確認した。テストドライブをお願いしたのは、モデューロ開発アドバイザーにして日本屈指の名ドライバー、ドリキンこと土屋圭市氏だ。

 土屋氏がモデューロの開発に参加したのは2008年。はじめて“実効空力”を提唱したのはFD2型シビック・タイプRからで、今回の3台のうち、S660モデューロXとFL5型シビック・タイプRのホンダアクセスが展開するカーボン製テールゲートスポイラー装着車は、開発段階でも完成後も、誰よりも走り込んでいる。しかし、今回用意した1999年に製作されたモデューロのエアロパーツを装着するS2000のステアリングを握るのは初めての機会だ。

 前後スポイラーと、前後ホイールハウス前に設置する整流板のストレーキからなるセットは、当時のカタログに目を通すと、実効空力というワードこそ使用していないが、『CD値を上げずに、効果的なリフトバランスを得られるフォルム』で『トータルエアロダイナミズムを徹底する』という実効空力にも繋がる考え方がすでに提唱されている。そして、それが実際に機能していることは、ワインディングを走り始めてすぐに体感できた。

「この頃からモデューロって、すでにちゃんと空力やってあったんだね。それにしてもこんなにしなやかで、突き上げの出ないクルマじゃなかったでしょ、S2000って。これは、しっとりしたオトナな乗り味で、サーキットでの限界性能を追求するような方向性じゃなくて、ワインディングを気持ちよく走れるフィール。疲れないし、高級感がある」。

 それはまさしく、土屋氏が携わるモデューロXが目指す走りの方向性に通じるものだ。

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