この記事をまとめると
■フォルクスワーゲンが展開するEVブランド「ID.」シリーズのフラッグシップモデル「ID.7」に試乗
■前後方向に伸びやかなスタイルのID.7はその見た目どおり広く快適なキャビンをもつ
■ID.7は、ガソリン車に近いナチュラルなフィールの加速とコーナリング時の安定感をあわせ持っていた
フォルクスワーゲン「ID.」シリーズでもっとも大型なBEV
2035年までに、域内の乗用車と小型商用車の新車100%をZEV(ゼロ・エミッション・ヴィークル、すなわちBEVもしくはFCEV)に転換するという政策を掲げているヨーロッパ。現在ではこれにeフューエル車も含めるべきとの議論も加わり、いわゆるヨーロッパのEVシフトの成否は先が見えにくい状況になっているが、それでも自動車メーカー各社は、積極的にBEVの開発を進めている。
今回試乗したのは、ドイツのフォルクスワーゲンの電動化戦略が成功するかどうかを占ううえで非常に重要な意味を持つニューモデル、ボディサイズでは現行モデルのパサートをさらにひとまわり大きくした数字をもつ最新のBEV、「ID.7」だ。
BEVといえばコンパクトなシティコミューターというイメージがいまだに強いが、広い居住空間でラグジュアリー性を高めながら、長距離のドライブにも抵抗なく使える走りが実現できているのかどうかも、これから誕生するBEVに要求される重要な性能のひとつといえる。
ID.7のボディデザインは、まずフロントマスクを先進的なスタイルに、そしてサイドを流れるラインをシャープに描くことで、筋肉質なイメージを演出したものだ。
フロントマスクの特徴は、大きくクローズしたグリルとボンネットの立体的なデザイン、そしてデイタイムランニングライトとターンシグナル用の細いLEDヘッドライトによって特徴づけられたもの。ちなみにオプションではさらに高性能な最新のIQ.LIGHT LEDマトリックス・ヘッドライトを装着することもでき、これは夜間走行の視認性と安全性をさらに高めることに大きく貢献する。
前後方向に伸びやかなスタイルを持つのがID.7のスタイルの特徴だが、その一方で、ホイールベースは2971mmを確保。したがって、前後のオーバーハングは短く、それによって路上での使い勝手の良さもイメージできる。
リヤの水平LEDストラップもいかにも最新のBEVといったイメージだが、こちらもさらにオプションではアニメーション・ブレーキランプとダイナミック・ターン・シグナルを備えた3Dテールライトクラスターに変更ができる。
遊び心がないようで、きちんとこういったアイテムが用意されているのも特長なのだ。