恐ろしいほど破格の価格設定!
では、サンデロの優れたポイントはというと、6速MT(ヨーロッパの廉価モデルは5速MTが標準的)をはじめ、オートエアコン、アイドルストップ、ヒルスタートアシスト、さらにはキーレス機能にエコモードなどなど、クラスをふたつくらい超えた充実装備にほかなりません。
これで1万7000ユーロ(およそ267万円)程度なんですが、ヤリスは2倍の3万ユーロ超え、VWポロにしても2万7000ユーロと1万ユーロも高いわけです。これはちょっと勝負にならないくらいのアドバンテージといえるでしょう。
また、車体各部やインテリアのしつらえも仕上がりがいいそうで、ちょっと前の韓国車みたいな「安っぽさやボロっぽい雰囲気」はまったく感じられないとのこと。
デザインだってお世辞にもスタイリッシュとはいえないものの、このクラスとしては及第点。だいたい、コンパクトクラスでスタイルにいちゃもんをつけるユーザーもさほど多くはいないでしょう。
お手頃で使い勝手のいいサンデロ、これだけでもダチアは評価されるべきでしょうが、じつは環境問題にも真摯に取り組んでいます。サンデロは、日本でいうレギュラーガソリンで走る設定なんですが、バイオエタノール混合燃料(E10/E5)も使用可能! 一般的なガソリンよりもいくらか値段も安いそうなので、良心的メーカーといっても過言ではないでしょう。
ただし、混合燃料の燃費はガソリンに比べ悪化傾向にあることも事実なので、ここの判断はわかれるところかもしれません。
2020年にフルモデルチェンジがなされ、3代目となったサンデロ。日産のCMFシャシーを用いていますから、国産でいえばノートのような雰囲気でしょうか。搭載エンジンは1リッター直列3気筒NAとターボ、そしてバイオフューエル仕様の3タイプが用意されています。
また、SUVライクな派生モデル「サンデロ・ステップウェイ」が加わったことも大きなアピールとなったはず。
初代サンデロからグイグイと商品力をアップしてきたダチアですが、これは本家ルノーのプレミアム路線への舵取りも無関係ではないでしょう。これまでルノーのボトムラインを購入していた顧客を、これからはダチアが取り込んでいくという狙いは、ゴルフの売り上げを追い越した時点でコンプリートできているのではないでしょうか。
シュコダやセアト、あるいは欧州に上陸している韓国メーカーはもとより、日本車もうかうかしていられないこと、確かなようです。