ホンダWR-Vはヒットの予感……だけど強すぎる同門「N-BOX」が立ち塞がる懸念が拭えない! (1/2ページ)

この記事をまとめると

■ホンダが日本初登場となるSUVの「WR-V」を発売した

■日本におけるホンダのSUVラインアップはライバルに比べると選択肢が少ない

■商品力がないとN-BOXに食われて生き残れないかもしれない

ホンダ期待の新型コンパクトSUV「WR-V」

 ホンダのコンパクトクロスオーバーSUVとなるWR-Vは、日本国内にて2023年12月発表、2024年春発売予定となっている。なお、報道によると、インドより完成車輸入という形で国内展開されるようである。

 今回、国内投入されたWR-Vは、グローバルでは2代目となるモデル。初代は2016年11月にブラジルにおいてプロトタイプモデルを公開。南米地域及びインドで生産及び販売されており、新興国向けモデルといえるのが初代であった。

 筆者はかつて、インドの首都デリーで開催される「オートエキスポ(通称デリーオートエキスポ)」にて初代WR-Vを見た。当時のフィットをそのままクロスオーバーSUVにしたようなカジュアルな雰囲気にとても好感が持てた。

 そのとき、縁あって地元インドメディア向けのホンダによるプレス懇談会に参加させてもらったのだが、その場でホンダ関係者に「日本国内でも売れそうですが、国内投入予定はあるのですか」と聞くと、「日本国内への投入予定はない」との返事をもらった。

 しかしそのときに、「次世代モデルに期待してください」とも受け取れるコメントを得ていた。そして2代目国内投入の発表を見て「ああ、やっぱり」と思ったのだった。

 トヨタと比較するとホンダの日本国内におけるクロスオーバーSUVのラインアップは物足りないのが現状。トヨタは5ナンバーサイズのライズと3ナンバーサイズのヤリスクロスの二枚看板でコンパクトクロスオーバーSUVをラインアップし、ヤリスクロスの上にはカローラクロス、さらにはRAV4、ハリアー、そしてクラウンクロスオーバー、クラウンスポーツ、ランドクルーザープラド、ランドクルーザーとまさにフルラインアップ体制となっている。

 ところがホンダはヴェゼルとZR-Vのみ。国内販売シェアでトヨタに大差をつけられているとはいえ、「世界のホンダ」としては物足りないと言わざるを得ない。

 コンパクトサイズでは「なんちゃってクロスオーバーSUV」ともいえるフィット・クロスターがあり、現行フィット登場直後は販売現場も想定外なほど売れていたという話も聞いているが、あくまでクロスターはSUV風である。

 つまり、それだけホンダ車ではクロスオーバーSUVの選択肢が少ないともいえるのだ。その意味では今回のWR-Vの国内投入はウェルカムともいえるのだが、気になるところもある。すでにメディアでも指摘されているが、駆動方式はFFのみであり、しかもHEV(ハイブリッド車)の設定がないのだ。


小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

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