標識の色と形状から一時停止違反が重要視されていることがわかる
もっとも種類が多い、交通ルールを示す規制標識については、丸い形状が多数派だが、通行帯や一方通行を示す標識は四角形となっている。さらに、前述したように逆三角形の標識も存在している。
丸い形状を採用する理由は、膨張する効果によって大きく見えるという特性があるから。速度規制や進入禁止、駐車禁止など目立たせたい規制標識が丸くなっているのには、目につきやすくしたいという狙いがある。
逆三角形の形状は、警戒標識のひし形と同じく不安定で、注意を引きやすいことで採用されている。
ひとまず、道路標識の形状についてまとめると、目立たせたい丸、きちんと情報を伝えたい四角形、注意喚起を狙った逆三角形やひし形、五角形といった風に分類することができる。
こうした狙いは標識の色についても考えられ、取り入れられている。
本能的に「危ない」と感じる色である赤は、禁止や危険を示す標識に使われている。警戒標識の専用色といえる黄色も同様だが、重要度としては赤が上位になるといえそうだ。このあたり、緊急車両に使われる赤サイレンと、立ち入り禁止を示す黄色テープの違いと考えると理解しやすいかもしれない。
見やすさにつながる青は指示標識で使われているほか、一方通行の進行方向を示す標識などに使われている。
青は高速道路などで見かける案内標識にも使われているが、案内標識は緑であることも多い。緑という色には、読み取りやすさだけでなく、本能的に安全意識を高めるという狙いも込められているという。
すべての標識を正しく認識、交通ルールを守るというのは大前提として、色と形状に込められた意味からすると、逆三角形で赤地の「一時停止」がもっとも注意喚起を意識した標識といえるかもしれない。
その意味では、一時停止違反を厳しく取り締まっているのも納得するしかないのだろうか……。