この記事をまとめると
■「はたらくトラック」に魅了されたファンは少なくない
■トラックの写真を撮ることが趣味という人も
■“撮り鉄”ならぬ“撮りトラック”の知られざる世界を紹介
商用車ならではの逞しさが最大の魅力
トラックの魅力と言えば、乗用車とは比較できないビッグスケールの存在感。そして商用車ならではの働く姿の逞しさが最大の魅力だ。しかも汚れやすいトラックを丹念な洗車で磨き上げ、仕事に差し支えない綺麗な飾りを施したトラックは「仕事車アート」と称され、デコトラのソレとはまた違った魅力がほとばしる。そんな「はたらくトラック」に魅了されたマニアなファンは結構多い。そんな彼らや、街道筋のマニアックなカメラマンたちが情熱を注ぐ“撮り鉄”ならぬ“撮りトラック”の知られざる世界を紹介しよう。
仕事車=商用トラックは、荷物を積んで、目的地まで走り、荷物を降ろす。この当たり前の日常を切り取るのが、彼ら街道カメラマンだ。トラックに荷物を積み込むと、荷物の重量でトラック全体が沈みこむ。この沈みこんだ姿勢にトラックの逞しさを感じるワケだ。トレーラーの横扉を開放し、フォークリフトで荷下ろしする作業風景は、働くトラックと作業員の男らしさを感じされる名シーンである。
連結する荷台側が3軸の台車で、更に長大な長さを誇るセミトレーラー。牽引免許を必要とする、特殊で最高峰の運転技術を要するステイタス性の高いトラックだ。このトレーラーを自由自在に操る姿は一般人には羨ましいもの。長大なトレーラーは横からの俯瞰で撮影するのではなく、ハンドルを切って曲がるトラクターヘッドと荷台の台車が折れた状態は、トレーラーならではの躍動感あふれる挙動で心を震わせる一瞬だ。
はたらくトラックが体を休めて停泊する風景を街道カメラマンが撮影すると、また違った表情をみせる。漁港で餌を求めて飛び交うカモメと満月を入れた構図の写真はなんとも趣があるもの。どことなく哀愁を誘う雰囲気のポートレートは、イベント会場では撮影出来ない一瞬だ。このように写真に自分の個性を表現するのも街道カメラマンの腕の見せどころなのだ。
今回写真を提供していただいたカメラマンは、仕事車を追っかける街道カメラマンのひとりだ。50代前半で小学生の頃からカメラ小僧をしていたという生粋のデコトラファン。今でも地元の漁港を中心に被写体となるトラックを探しにパトロールに出掛け、撮影を楽しんでいるという。とくにドライバー氏が仕事中は邪魔にならないよう周囲に配慮し、撮影の許可も得ることは徹底しているという。トラッカーの仕事に支障がでないようドライバーだけでなく周囲に配慮しながら楽しんでいるのだ。