メーカーにできないことができるアフターパーツにも魅力は多い
たとえばトヨタ系の場合、2023年末時点において、アフターパーツとして、トヨタ自動車純正用品と「MODELLISTA」と「GR PARTS」の3ブランドがある。それぞれの取り扱い会社は下記のとおりとなる。
トヨタ純正用品→トヨタ自動車
MODELLISTA→トヨタカスタマイジング&ディベロップメント
GR PARTS→トヨタ自動車の商品とトヨタカスタマイジング&ディベロップメント
その上で、保証の期間と走行距離について、トヨタ自動車取り扱い商品は、トヨタ車向けが3年 or 6万km、Lexus車向けが5年 or 10万kmで、トヨタカスタマイジング&ディベロップメント取り扱い商品は、トヨタ車向けが1年 or 2万km、Lexus車向けが3年 or 6万kmとなっている。
ホンダ系では、純正用品を手がけるホンダアクセスの商品は3年 or 6万kmで、無限の用品は1年 or 2万kmだ。
一方でNISMOは、1年 or 2万kmと3年 or 6万kmの両方がある。NISMOの場合は一部商品が「純正用品」扱いなので、その違いということだろう。
その他の、いわゆるサードパーティの保証にはいろいろあるが、メーカー系のワークスチューニングブランドを上まわるものは心当たりがない。
では、ドアスタビやパフォーマンスダンパーなどのスグレモノ後付け商品が、なかなか純正採用や純正用品として設定されないのはどうしてなのか、関係者にあくまで個人的な見解との前提で話をうかがった。
すると、「近年では高額な車種でもともと標準でパフォーマンスダンパーが採用されているケースもいくつか見受けられるようになってきたが、装着するとよくなることはわかっていても、依然として装着されない車種が多いのは、やはりコストはもちろん、部品点数の増加により開発や製造の工数が増えるのを抑えるため、全体のバランスを考えてのことだと思う」とのことだった。
逆に、ベース車にすでに装着されていても、さらに増設することでとても高い効果が得られることが明らかな場合、後付け用品として設定されているケースもあるという。
いいパーツなら最初から付けたほうがみんないい状態のクルマに乗れていいじゃないかというのはごもっともな意見なのだが、そうするとクルマのコスト、ひいては価格がそれなりに上がってしまう。それならパーツなどいらないという人もそれなりにいる。だから、選べることが大事なのかなと思う。
それでもパフォーマンスダンパーは、あまりの評判の高さから、徐々に自動車メーカーの純正採用や純正用品として設定されるケースが増えているほうで、「用品」から「スタンダード」になりつつあるといえる。そうすると数が出て、より低コストで高品質な乗り味を、より多くの人が味わえるようになることも期待できる。
ドアスタビも、たしかに効果があるので、ゆくゆくそうなるかもしれない。あるいは逆に、他の類いのパーツで、ニーズが減ったので純正採用から落として用品として選べるようにして、必要な人のみ選べるようにしたケースもあるという。
ワークスチューニンググループに名を連ねるメーカーの子会社用品会社は、いい意味でメーカーにできないことができる集団だ。彼らが生み出したアフターパーツがあることで、ユーザーは好みや目的に合わせて愛車をチューニングすることができて、そのクルマと過ごすカーライフもより充実したものになることに違いない。
アフターパーツの可能性は多くの人がイメージしているよりもずっと大きいといえそうだ。