ライバルを揶揄するようなキャッチコピーもあった!
3)「人生とやらを、愉しむクルマです」/マツダ・センティア(初代)
1991年にデビューした、事実上、ルーチェの後継モデルにあたるマツダ・センティア(ロータリーエンジン搭載車は設定されず)。キャッチコピーは「人生とやらを、愉しむクルマです。」、CM曲はエルトン・ジョンの「Goodbye Yellow Brick Road」。マツダディーラーではセンティアとして販売され、アンフィニチャンネルでは姉妹車である「MS-9」が併売されていた時期もありました。
搭載されるエンジンも2.5リッターと3リッターの豪華2本立て。ボディサイズは全長×全幅×全高:4925×1795×1380mmという、トヨタ・セルシオ(初代)と並んでも見劣りしない、流麗かつ堂々としたフォルムが魅力的な3ナンバー専用ボディを持つ、マツダのフラッグシップセダンでした。いま見ても美しいフォルムです。
4)「あのクルマとは違う」/ 三菱ディアマンテ(初代)
1990年にデビューした三菱ディアマンテ(初代)。3ナンバー車は高級車・お金持ちの象徴から、1989年の改正よりグッと身近になったタイミングでデビュー。3ナンバー車アピール度会いが現代とは比較にならないくらい強かった時代、できるだけ他人とは被りたくないけれど、人に自慢できて、価格も手頃な高級セダンが欲しいというニーズに見事に合致したのがディアマンテ(初代)でした。
デビュー時のキャッチコピーは「あのクルマとは違う。ファースト・ミディアムカー宣言」。果たして「あのクルマ」とは……。答えは言わずもがなではありますが、結果的に初代ディアマンテも売れに売れて、街なかで頻繁に見かけましたね。あれから30年。果たしてどのくらいの個体が現存しているのでしょうか。
5)「クルマより楽しいクルマ」/スズキ・ワゴンR(初代)
1993年にデビューしたスズキ・ワゴンR(初代)。男性が乗ってもサマになる(乗ってみたいと思わせる)内外装のデザイン、そして色使い。さらには軽トールワゴンという使い勝手の良さ。一部のスポーツモデルを除き、まだまだ女性が乗るイメージが強かった当時の軽自動車に革命を起こしたクルマといえる存在でしょう。
デビュー当時のキャッチコピーは「クルマより楽しいクルマ」。速さでも、パワーでも、ましてや高級感のアピールでもない、新しくて楽しいクルマのカタチ。デビューから早30年。メーカーを問わず、ルーツをたどると初代ワゴンRに行き着くような軽自動車が増えましたね。
まとめ
簡単なようでじつはものすごく難しいキャッチコピー。ここにいたるまで、それこそ何百通りものキャッチコピーが生まれ、ボツになり、最後に選ばれたものが採用されます。その「生みの苦しみ」の末に、ときにはそのクルマを代表する名キャッチコピーが誕生します。
クルマにまつわる仕事はそれこそ多種多様ですが、いま、この記事を読んでくださっている読者の方が10代だったとしたら、コピーライターという仕事を目指すのもありかもしれませんよ!
いまから10年後くらいに、この記事を読んでクルマのコピーライターになりました! なんて方が現れてくれたら本望です。