この記事をまとめると
■国産車でもっとも長寿なモデルといえるのが日産パトロールだ
■初代パトロールは、4リッター直6エンジンを積む走行性能を重視したモデルだった
■現在でも海外の一部地域では販売されておりNISMO仕様も存在する
日本では改名されてしまったが世界では現役
2023年12月、トヨタがランドクルーザー70の再販売を開始したことが話題となりました。そうした記事などで「ランドクルーザーという名前は国産車では最長寿」というエピソードを目にして驚いたことがあるかもしれません。たしかに初代ランドクルーザーが誕生したのは1954年で、2024年になんと生誕70周年を迎えるという、国産車でもっとも長く愛されてきた車名です。
しかしながら、ランドクルーザーの最長寿ネームというのは国内で販売されている国産車という条件付きだったりします。なぜなら、真の最長寿モデルといえるのは日産「パトロール」なのです。
日産のクロスカントリー4WDにおけるルーツ的存在のパトロールが誕生したのは1951年。ランドクルーザーの3年前です。
初代パトロールは写真からもわかるように、いわゆる「ジープ」タイプのクロスカントリー4WD。小型車(5ナンバー)規格のエンジン排気量上限が1.5リッターだった時代に4リッター直列6気筒エンジンを積んでいたことからもわかるように、走破性などのパフォーマンスを重視したモデルでもありました。
そのため、一般ウケするタイプのモデルではなかったのですが、マニアを中心に確実にファンを増やしていきます。
その後、日本向けのモデルについては、1980年に「サファリ」と改名されました。そのネーミングに覚えがあるという方も多いのではないでしょうか。ただし、サファリになって3世代が販売されたものの2007年に販売終了となっています。
この最後のサファリは、パトロールとしては5代目にあたります。そして、海外向けのパトロールは、サファリがディスコンとなったのちも販売が続き、2010年には6代目にフルモデルチェンジを果たしています。
日産パトロールは中東エリアなどを中心に、いまも現役で売られています。
電動化に熱心な日産ですが、パトロールは本格クロスカントリー4WDらしく、パワートレインはガソリンエンジンが中心。
海外仕様のスペックを紹介すれば、4リッターV6エンジン(最高出力275馬力・最大トルク394Nm)、5.6リッターV8エンジン(最高出力400馬力・最大トルク560Nm)が設定されています。いずれもトランスミッションは7速AT、駆動方式はもちろん4WDです。
さらに、NISMO仕様も用意されるなど、クロスカントリー4WDのフラッグシップとしてラインアップを充実させています。
全長5.3m超、2mに迫る全幅は、日本で取りまわしやすいとはいえませんが、ランドクルーザーがあれほど人気な日本市場なのですから、パトロール導入を待ち望んでいるファンも少なくないはずです。
はたして、日産は伝統の名前である「パトロール」を復活させてくれるでしょうか。