大昔は「夜の峠」で走り込み……じゃあイマドキのラリードライバーは「どこ」で練習してる? (2/2ページ)

意外と身近なところでラリーへ向けたトレーニングは可能!

 このようにラリードライバーでも、普段から公道&私道を使用したSSは走行できないが、ミニサーキットやダートコースでも十分にマシンのコントロール技術は習得可能である。

 さらに、ワイディングだけでなく市街地を法定速度で走りながらでも、ペースノートの作成は行えるし、過去のインカービデオのペースノートを聴きながら、自宅でイメージトレーニングを行うこともスキルアップに効果的だ。

 そのほか、奴田原が主宰するヌタハラ・ラリースクールに参加することも効果的なトレーニングのひとつで、座学だけでなく、車両を使用した実習も充実していることから、マシンのコントロール技術を習得可能。

 しかも、データロガーを活用していることから理論的にテクニックを身につけられるうえ、コ・ドライバーとともに参加すれば、ペースノートのブラッシュアップもできる。

 ちなみに、ヌタハラ・ラリースクールの実習は、パイロンコースのほか全日本ラリー選手権でも使用されているSSを占有したり、陸別オフロードサーキットを貸し切ったりと充実しているだけに、より実戦的なトレーニングが行えることだろう。

 もちろん、ラリー競技においてもっとも効果的なトレーニングが実戦に参加することで、入門者向けの競技にエントリーすることも上達の近道といえる。事実、全日本ラリー選手権に参戦しているドライバーが、シーズンオフやインターバルに地方ラリー選手権に参戦することも多く、彼らは実戦のなかでマシンのセットアップを行い、ペースノートの精度やリーディングを確認している。

 このようにラリードライバーの練習方法も時代に合わせて変化しており、現在は常設コースを活用しながらテストを実施しているのである。


廣本 泉 HIROMOTO IZUMI

JMS(日本モータースポーツ記者会)会員

愛車
スバル・フォレスター
趣味
登山
好きな有名人
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