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残価率も中古価格も下落気味! SUV人気は変わらずも価値に変化が起きているワケ (2/2ページ)

残価率も中古価格も下落気味! SUV人気は変わらずも価値に変化が起きているワケ

この記事をまとめると

■初代トヨタ・ハリアーの登場によりそれまでのSUVの概念と価値が一変した

■SUVは残価率の高さがウリだったが納期遅延解消により残価設定額は落ち着きを取り戻しつつある

■SUVが適正価格になりつつあるなか、ノア&ヴォクシーはアルヴェルの受け皿として再販価値を上げている

初代トヨタ・ハリアーがSUVを変えた

 世界的に人気が高いのがSUV(スポーツ・ユーティリティ・ビークル)。もともとは、荒野を走るのがぴったりなような、表現するとしたらジープを乗用車っぽくしたような感じのモデルで、狩猟などで山間部を走るなどの目的が主なこともあり、3ドアタイプがメインであった。かつては「SUV版ロールスロイス」といわれたレンジローバーも、英国貴族がキツネ狩り(現在は禁止されている)に行ったあとにそのまま街へ出てもおかしくないようなSUVということで開発されたともいわれている。

 日本でも1990年代あたりに背面にスペアタイヤを背負った、「クロスカントリーSUV」といわれたモデルがアウトドアブームとともに大人気となり、各日系メーカーがラインアップしていた。

 SUVの風向きが変わったのは初代トヨタ・ハリアー(海外名:初代レクサスRX)であった。「セダンとSUVのクロスオーバー」スタイルを採用した初代ハリアーは、日本よりも世界市場において、レクサスと言うプレミアムブランド扱いとなり、「泥臭さのない都市型クロスオーバーSUV」という衝撃を与えた。世界的にはほぼそれまで見たことのない新しいジャンルとして受け入れられたのである。

 それまでは、ほぼトラックシャシーベースのSUVしか存在していなかったアメリカでは、SUVの販売台数は小型ピックアップトラックと合算されていた。しかしその後、各メーカーからハリアーにインスパイアされたかのように続々とクロスオーバーSUVが登場してくるようになり、いまではSUVという独立したカテゴリーでカウントされている。たとえば2022暦年(1~12月)締め年間新車販売台数では、総台数の約54%がSUVとなっている。

 SUVが販売の主流となっているのは、中国、欧州、東南アジアなどで、世界へ拡大しており、日本でも世界のトレンドに少し遅れる形でSUVのラインアップが増えて人気となっている。

 日本国内にてSUVが高い人気を維持する理由のひとつが再販価値の長期間の高値傾向にある。トヨタや日産、ホンダあたりのSUVはとくに人気が高いのだが、日本で使われたあとの日系メーカーのSUVの結構な台数は、ロシアなど海外に輸出される。低年式から高年式までとにかく日本からの中古SUVは海外で人気が高い。日本の道路整備は整っておりクルマ自体のへたりも少なく、一般的には諸外国に比べると走行距離も少なめとなっている。ロシア辺りでは日本の中古車の走行距離はならし運転程度ともいわれているとの話を聞いたことがある。

 いまほどSUV人気が高くなっていなかった15年ほど前でも、初度登録から10年以上経過し、過走行(10万km以上)で内外装も傷んでいる下取り予定車を、あるセールススタッフが出先で下取り査定してざっくりと10万円の値付けして営業所に戻ってきたあと、よく調べたら60万円になったといった話も聞いたことがある。それ以降は出先での下取り査定はできるだけ控え、低年式で価値がほとんどないように見えても、目測だけではなくしっかり調べながら査定するようになったそうだ。

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