この記事をまとめると
■日産サファリの前身でもある「パトロール」を紹介
■1956年にマイナーチェンジしたパトロールは「鉄仮面」と呼ばれていた
■海外では人気が高く、70年以上の歴史を持つクルマとして愛されている
じつは70年以上の歴史がある日産パトロール!
現在、日本が誇る本格オフローダーといえばトヨタのランドクルーザー300であるが、過去には日産からもサファリというモデルが、同様のジャンルのモデルとして日本国内では2007年まで販売されていた。
そのサファリの前身となるモデルが「パトロール」であり、日本国外ではサファリの輸出名として使用されていたほか、現在でも日本国外では、新型モデルが登場して販売されている。現行型ではなんと「NISMO」もラインアップされているのだ。
そんなパトロールの歴史は古く、初代は1950年に創設された警察予備隊(現在の自衛隊)への納入を目的に開発されたもので、1951年に試作車が完成している。
ただ、実際に警察予備隊に納入されたのはウィリスジープのライセンス生産車である三菱ジープであり、4W60型と呼ばれる初代パトロールは民生用の車両として活路を見出だすこととなる。
梯子形フレームに前後ともにリーフリジッドサスペンションという堅牢な設計は、後のランドクルーザーに繋がるトヨタBJ型と同様ながら、全幅はパトロールのほうが広く、搭載されるエンジンも3.7リッターと大排気量のものが搭載されていた。
フロントマスクはもともと横スリットの無骨なものとなっていたが、1956年のマイナーチェンジ時にエンジンの換装とフロントグリルにメッキの加飾を追加。これが鉄の仮面のように見えたことから「鉄仮面」とも呼ばれたとされており、1983年にR30スカイラインがマイナーチェンジを実施して「鉄仮面」の愛称が付けられるよりも25年以上前に、すでに「鉄仮面」の愛称を持った日産車が存在していたということになる。
その後も改良を続けて生産された初代パトロールは、1958年にエンジンの排気量を4リッターに拡大。さらに翌年にはサイドバルブ式エンジンからOHV式エンジンとなった4リッターのP型エンジンに換装され、1960年には2代目となる新型パトロールが登場している。
そして1980年に登場した3代目モデルからは日本ではサファリという名前で販売されるようになり、西部警察にも特装車として登場したことで一気に知名度を上げたことをご存知の方も多いことだろう。
そんなパトロールは現在でも海外、とくに中東で高い人気を誇っており、2021年には生誕70周年を記念したイベントが開催されたほどなのである。