欧・米・中のEVシフトが失速したとの声は妥当じゃない! 急な方向転換の可能性もある世界の電気自動車事情のいま (2/2ページ)

欧州のEVシフトの先読みは難しいが失速したとはいえない

 一方、欧州でのEVシフトはどうか? 欧州連合(実務は欧州委員会)による欧州グリーディール政策の一環で、「2035年に欧州域内の乗用車と小型商用車の新車100%をZEV(EVまたはFCEV)」という施策について、ドイツが「合成燃料も含めるべき」との考えを示すなど、EVシフトの今後の動向がつかみにくい。

 ただし、これをもって、欧州EVシフトが失速、と表現するのは妥当ではないと思う。あくまでも、「欧州EVシフトは先読みできない」状況だ。

 また、中国ではEVの価格競争が加熱しており、日本メーカーは中国での事業戦略の修正を余儀なくされている。だからといって、中国のEVシフトがさらに加速するかどうかは不確かだ。過去事例を見ても、中国では国のEV施策が短期間に大きく転換したこともあるからだ。

 いずれにしても、国や地域によらずEV普及は、規制、補助金、そしてユーザーが本当に買いたいと思う”真の需要”とのバランスが重要である。


桃田健史 MOMOTA KENJI

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