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■不適切な部分にグリスが塗られている
自己流で覚えた人に多いのが、ホイールのいろんなところにグリスや潤滑剤を塗ってしまうケースです。
おそらくサビを防止したかったり、ナットとホイールの軋みを嫌ってのことだったりが理由だと思いますが、不適切な部分にグリスを塗ってしまうと、ホイールナットの緩みを誘発してしまう場合があるので注意しましょう。
グリスを塗る適切な箇所というのはハブボルトのネジ山の部分です。金属同士が擦れながら大きな力がかかる部分なので、サビや砂などが付着した状態でナットを締め込むとネジ山を痛める恐れがあるので、ここに少量のグリスを塗って潤滑することを推奨しているところもあります。一般的なグリスでも用は為しますが、「スレッドコンパウンド」という金属摺道面専用のグリスがベストです。
逆にいちばん塗ってはいけないのは、ホイールとハブが接する面です。ここは金属同士が摩擦で固定されているので、潤滑してしまうとホイールの固定力が足りなくなってしまいます。
■汚れや小石などが噛み込んだまま装着されている
このケースは、屋外でホイールの脱着をおこなった場合は、厳密にいうとほぼ当てはまりますが、微少な砂粒が多少付着しても機能が損なわれないように各部分が設計されていますので、ほとんどの場合は問題になることはありません。
ただし、ホイールとハブの接触面に汚れや塗装がしっかり付着してしまっていたり、ハブボルトのネジ山部分や、ホイールナットの座面にやや大きな砂粒が噛み込んだまま締め込んでしまった場合は要注意です。
ごくわずかな付着については防ぐことは難しいですが、機能に影響が出るような付着を見過ごしてしまうと、ホイールの固定に支障が出てしまう場合があります。
脱着の際にはパーツクリーナーなどでネジ部や接触面をキレイにしてからおこなうようにすると、トラブルを防げます。
■ホイールのブレを放置して高速走行
これはナットとボルトの問題ではありませんが、割合い的にはそこそこ多そうなケースです。
専門店でタイヤを交換してもらうときは、ほとんどの店舗で「バランス調整」をおこなってくれると思いますが、費用を抑えようと「バランス取り不要です」と断る人や、自身で交換をおこなってしまう場合などに起こりうる問題です。
脱着時にホイール&タイヤを持ったことがある人は実感していると思いますが、ホイール&タイヤはけっこうな重さがあり、それが走行中はかなりの勢いで回転しています。重さのバランスにブレがなければ重くてもスムースに回転しますが、重心のバランスが許容量を超えると回転の芯ブレが生じます。
低速走行時はそれほど影響がありませんが、速度が上がるにつれてブレの影響が顕著になってきます。高速道路などで高い速度で走行する場合は、ハンドルに振動がくることもあります。
この振動を感じたら、できるだけ早めにホイールのバランス取りをおこなったほうがいいと思います。とくに高速などで飛ばしがちな人は注意してください。先述のように振動というのはナットを緩める働きがあるので、長い時間放置したままにすると、徐々にナットが緩んでいき、脱落の危険性が増してしまいます。
主なホイール脱落の原因を考えてみましたが、この例に当てはまるという人は黄色信号ですのですぐ緩みやボルトの損傷をチェックするようにしましょう。年に一度くらい、タイヤ専門店やディーラーに車両をもち込んで、ホイールまわりの点検をしてもらうと安心かもしれません。