新型スイフト買うならこの2色で決まりか!? 新色への「力の入れ方」がハンパなかった (2/2ページ)

Z世代に向けた新たな領域の開拓を目指す

 もうひとつの新色である「クールイエローメタリック」の狙いは先進テクノロジーを表現すること。このイエローを好むオーナーのペルソナとしては、メタバースとリアルを自然に行き来するZ世代ということで、より具体的には『目立ちたくないけれど、自己主張はしたい』というニーズに合致する、まったく新しいイエローだ。

 黄色いスイフトというと、スイフトスポーツのイメージカラーである「チャンピオンイエロー」を思い浮かべてしまうかもしれないが、新型スイフトに合わせて登場した新色「クールイエローメタリック」は、そうした過去の伝統とはまったくベクトルを異にするイエローとなっている。

 スズキに限らず、自動車メーカーのブランディングやマーケティングにおいては、従来価値を持つX世代と、新しい価値観を大事にするZ世代の両方にアピールできるクルマ作りが課題となっている。

 あらためて新型スイフトのスタイリングを見れば、オーソドックスな部分と革新的なニュアンスがうまくバランスされたものであり、上記のように新色の「フロンティアブルーパールメタリック」と「クールイエローメタリック」は、それぞれ従来価値と新しい価値に合わせて生み出されたボディカラーとなっている。

 さらに、スイフトのスポーティさを表現する代表色である「フロンティアブルーパールメタリック」と「バーニングレッドパールメタリック」にはブラックルーフとの2トーン仕様を設定。

 一方、「クールイエローメタリック」と「ピュアホワイトパール」には、ガンメタグレーのルーフとのコンビネーション仕様を用意。ファッショナブルな新しい2トーンカラーを提案している。

 筆者が個人的に好印象を覚えるのは、こうしたスタイリングやカラーリングによる多様性の表現に合わせて、メカニズムの面でもパワートレイン進化やサスペンション刷新によって従来価値を高めた上で、ミリ波レーダーと単眼カメラをフュージョンした先進運転支援システムやドライバーモニタリングシステムのような先進安全装備を与えていること。

 ドライビングの楽しさを求める層も、テクノロジーによる安心を求める層も、しっかり満足できるコンパクトカーに仕上げているからこそ、「フロンティアブルーパールメタリック」と「クールイエローメタリック」というふたつの新色を採用したことが活きてくると思えるのだ。


山本晋也 SHINYA YAMAMOTO

自動車コラムニスト

愛車
スズキ・エブリイバン(DA17V・4型)/ホンダCBR1000RR-R FIREBLADE SP(SC82)
趣味
モトブログを作ること
好きな有名人
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