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【試乗】ルノー・アルカナE-TECHではるばる500km先の日本のベルサイユ宮殿へ! 驚きの燃費と快適性にロングランが苦にならない (1/2ページ)

【試乗】ルノー・アルカナE-TECHではるばる500km先の日本のベルサイユ宮殿へ! 驚きの燃費と快適性にロングランが苦にならない

燃費も乗り心地もいいからロングドライブだって苦じゃない

 ルノー・アルカナE-TECHエンジニアードで神戸まで500kmのロングドライブをする機会を得た。じつは直前にそれを話した方から「大変ですね」といわれたけれど、ルノーは今回のアルカナのみならず、多くのモデルでシートのサポート性に優れているし、以前にも近距離ながらアルカナの試乗をしたことのある私は乗り心地のよさも知っていた。

 運転支援システムの「ルノー・イージードライブ」も完備し、渋滞も怖くない。それに道中は編集者とカメラマンが一緒だ。そのうえ女性は1泊でも2泊でも荷物は同じ(多め)。クルマなら遠慮なく寒さに備えてアウターだって余分に持っていける。お買い物だって気兼ねなくできる。

 そんなわけで、ずっとクルマでドライブ=移動できる今回はロングドライブが楽しみだった。

 また、ルノージャポンの本社は神奈川県の横浜市、みなとみらいにある。つまり、今回は異国情緒がいまも残る関東の港町「横浜」から、同様の関西の港町「神戸」に向かうのだ。港町対決? いやいや個人的にはどちらも好きな場所ゆえ素敵な計画だと思えた。さらに今回は、神戸の“ベルサイユ宮殿”と呼ばれる公園の庭園にフランス車のアルカナと訪れ、フランス気分も味わえるという。味わえたものはほかにもあるけれど、それはのちほど……。

 まずは今回の主役を紹介したい。

 アルカナはルノー・日産・三菱アライアンスのCM-Bプラットフォームを採用し、クーペシルエットが特徴のCセグメントSUV。これに近年は電動化を進めているルノーが独自開発したハイブリッドを2タイプ、ラインアップしている。

 今回のロングドライブをともにしてくれたのは「E-TECHフルハイブリッド」を搭載する「アルカナE-TECHエンジニアード」。パワーユニットは1.6リッター自然吸気エンジンにメインモーター(駆動)とHSG(ハイボルテージスターター&ジェネレーター)という2基のエレクトリックモーター、そしてF1のノウハウを活かすマルチモードATが組み合わされる。このATは、エンジン側に4速、モーター側に2速のギヤを持ち、アルカナE-TECHエンジニアードの3つの走行パターン=EV走行/ハイブリッド走行/エンジン走行をドライバーが気づかないほど滑らかなギヤチェンジで行う、すごいヤツなのだ。

 アルカナE-TECHエンジニアードは、まるで電気自動車のようにモーターで走り始め、状況に応じてモーターとエンジンを組み合わせて走行をする。街なかはもちろん高速道路での中~高速域でも、じつはモーターのみの走行をすることがある。

 高速走行(80km/h以上)はエンジンが中心と説明にはあるが、走行車線を周囲のクルマ流れに任せて走っていると、EV走行やハイブリッド走行をかなりの頻繁に切り替えているようだ。実際はエンジンの存在こそわずかに気づくものの、その制御を意識できることはほとんどない。

 そんなアルカナE-TECHエンジニアードのWLTCモード燃費は22.8km/L。同じパワートレインを採用しているルーテシアE-TECHフルハイブリッドは輸入車でNo.1の低燃費(WLTCモード燃費25.2km/L)であり、キャプチャーE-TECHフルハイブリッドは輸入車SUVでNo.1の低燃費(WLTCモード燃費22.8km/L)なのだから、今回のロングドライブも、アルカナE-TECHエンジニアードがどんな数値を叩き出してくれるか、かなり楽しみ。

 そして、このようなさまざまな走行を極めて細やかに制御して走るアルカナのフルハイブリッドのもうひとのキモは、ルノーが「F1由来」と推し、さまざまな走行状況に応じて変速制御を行う電子制御ドッグクラッチマルチモードATだ。変速ショックもほとんど体感なく、じつにシームレス。この技術が、静粛性も高く、乗り心地の良いアルカナの走りと快適性の質を高めているのは間違いない。

 アルカナE-TECHエンジニアードの購入後の評価が非常に高いというのも頷ける。

 アルカナのトップグレードである「エンジニアード」のデザインの特徴はといえば、外観はブリリアントブラック色の前後エンブレムとグリル、ウォームチタニウム色(艶消しゴールド)をフロントのF1ブレードやリヤバンパーフィニッシャー、サイドシルに採用したこと。

 ウォームチタニウム色の差し色は、ルノーが説明する「先進的なイメージ」をルノーならではの斬新なセンスで楽しませてくれる。インテリアも外装と同様、ウォームチタニウム色をシートのステッチのほかところどころにアクセントとして配し、カーボン調のダッシュボードやドアトリム、アルミペダルを採り入れることでスポーティな雰囲気に仕上げられている。そのほか「エンジニアード」には、BOSEサウンドシステムや360°カメラが標準搭載される。

 500kmのロングドライブは日曜日の早朝にスタートした。スタートボタンを押すとエンジンは始動しない。これなら住宅街の早朝・深夜のお出かけや帰宅も安心。

 アルカナには3種類のドライブモード「マイセンス(個別設定が可能なカスタマイズモード)」「スポーツ」「エコ」が用意されている。私はまず、「エコ」で走行をしたのだけれど、高速道路に入るまでかなりの部分でEV走行だった。

 3人乗車+カメラ機材と宿泊の荷物をラゲッジに搭載するアルカナは、80-100km/hくらいの間では「エコ」でもまったく不足はないが、高速走行でドライブモードを変更してみた。「スポーツ」ではさらにスイスイ。SUVであっても、アルカナがルノーのスポーティなDNAを継承した俊敏なモデルであることを感じられた。が、燃費も意識しながら走ろうと思うと「スポーツ」はちょっともったいないほどよく走る。結局、「エコ」モードを中心に神戸に向かったのだった。

 アルカナは、クーペ風のフォルムながらガラスエリアもしっかりと保つおかげで運転席からの視界も良い。おかげで今回は、紅葉が深まる道中の景色に何度も同乗者に「見て、見て」と強要したことだろう。

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