この記事をまとめると
■2023年度のスーパーGTでのGT500クラスシリーズチャンピオンは36号車だった
■36号車「au TOM’S GR Supra」はどのレースでも安定したパフォーマンスを披露した
■GT300クラスでもGRスープラが優勝するというトヨタ勢にとって嬉しいシーズンとなった
今年の36号車は常に安定したパフォーマンスを見せつけた
国内最大の人気を誇るスーパーGTも2023年のシーズンが終了した。1996年にGT500クラスにデビューし、3度のチャンピオンを獲得した立川祐路選手の引退に加えて、1997年のデビュー以来、4度のチャンピオンを獲得したホンダの主力モデル、NSX-GTのラストラン、さらに1999年にGT500への参戦を開始し、4回に渡ってチャンピオンを輩出したミシュランタイヤのラストシーズンなど、「去り行く挑戦者」の動向が話題となったが、筆者がもっとも印象に残ったのは、トヨタの有力チーム、TOM’Sの強さだった。なかでも抜群の安定感を見せていたのが、36号車「au TOM’S GR Supra」で、坪井 翔選手/宮田莉朋選手が各ラウンドで素晴らしい走りを披露していた。
とはいえ、開幕戦の岡山を制したのは松田次生選手/ロニー・クインタレッリ選手の23号車「MOTUL AUTECH Z」で、au TOM’S GR Supraは予選10番手からトップへ浮上しながらもピット作業のミスにより、タイヤが外れてリタイヤに終わっていた。
まさに、au TOM’S GR Supraにとっては波乱の幕開けとなったが、第2戦の富士でシーズン初優勝を獲得すると、多重クラッシュにより赤旗でレースが終了した第3戦の鈴鹿でも2位に入賞した。さらに、GT300車両の火災で赤旗が提示された第4戦の富士においてもau TOM’S GR Supraは4位に入賞すると、予選で最下位に止まった第5戦の鈴鹿でも10位に入賞。第6戦のSUGOでも7位につけるなど、ポディウムに絡めなかったレースでも着実にポイントを重ねていった。