この記事をまとめると
■HRS-Fのスカラシップ発表会が行われた
■加藤大翔、洞地遼大、山口大耀、新原凌音の4名がスカラシップ選考会に臨んだ
■2024年度は加藤大翔、洞地遼大がスカラシップを獲得した
ホンダのサポートを受けてレース活動ができるスカラシップ
三重県・鈴鹿サーキットで11月29日、ホンダ・レーシングスクール鈴鹿フォーミュラ(以下HRS-F)のスカラシップ発表会が行われた。2024年度は加藤大翔が首席、洞地遼大が次席でスカラシップを獲得し、今後はホンダの育成ドライバーとしてレースに参戦していく。
HRS-Fは、これまでF1で3位表彰台を獲得したほか、ル・マン24時間レース、F1モナコGPと並ぶ世界3大レースのひとつと言われるアメリカの「インディ500」で2度も優勝を飾っている佐藤琢磨選手をはじめ、現在F1で活躍している角田裕毅選手など、多くのトップドライバーを排出してきた鈴鹿サーキット・レーシングスクールだ。1995年に鈴鹿サーキット・レーシングスクール・フォーミュラ(SRS-F)として発足し、2022年にはHRS-Fに名称と体制を変更して現在にいたっている。
2023年は3月からスタートしたアドバンスクラスに8名が入校し、9月に修了式を迎えた。その場で三重県・多気町の高校生・加藤大翔、愛知県名古屋市の高校生・洞地遼大、大阪府東大阪市の高校生・山口大耀、兵庫県神戸市出身で東京大学に在学中の新原凌音の合計4名がスカラシップ選考会進出者として選ばれた。スカラシップ選考会のカリキュラムは10月からスタートし、11月29日に全カリキュラムが終了。同日、最終的なスカラシップ獲得者が発表された。
スカラシップ選考会の最終日は、午前中に4名の卒業生を交えてレース形式の走行を実施。予選形式の計時走行では、洞地がトップタイムをマークした。レース形式のセット走行は3回行われ、1回目ではスタートでトップに立った新原が、スーパーフォーミュラに参戦中でHRS-Fで講師を務める佐藤蓮の猛追を振り切り、トップでフィニッシュした。
2回目と3回目は佐藤蓮と、FIA-F4ドライバーの野村勇斗によるトップ争いとなったものの、洞地は2レースとも3番手でフィニッシュしている。
実際のところスクールで使用される専用車両には個体差があるため、この結果だけがドライバーの力量すべてを物語っているわけではない。昨年のスカラシップ獲得者で2023年はFIA-F4の選手権に参戦した森山冬星や、2023年にSUPER GTで初優勝を果たした大津弘樹も走行に参加していたものの、上位に顔を出すことはできなかった。また、マシンをシャッフルした状態で走行していた前日は、今回下位に沈んだ山口や加藤が先輩たちに匹敵する走りを披露していた。