カワイイ見た目でも頼れる度はハンパなし! 東京消防庁のファーストエイドチームが導入したEVトライクがスゲェ奴だった (2/2ページ)

EVトライクに注目が集まる!

 そして、令和2年1月に創設されたのが、狭い道を駆け抜けていち早く災害現場に到着し、対応を行うための「ファーストエイドチーム」。この部隊が使用しているのが、全国の消防機関で初めて導入されたという、EVトライクなのです。2台1組で活動し、災害現場の初期対応に必要な消化用ホース、AEDなどの機材を積んでいます。

 じつはこれ、光岡自動車が製作している3輪電気自動車「Like-T3(ライク・ティースリー)」というモデル。後輪駆動の3輪で、全長2485mm、全幅1170mm、全高1075mmというサイズです。4.3kWhのリチウムイオンバッテリーを搭載しており、最高出力は5.6kW。2名乗車ができ、最大積載量は100kgとなっています。フロントから見ると、ピザ屋さんの配達車両がちょっとワイドになった印象ですが、サイドにまわるとコンテナのような荷台に、しっかり赤色灯がついているのがなんとも可愛らしいですね。充電はAC100Vで約6時間で完了し、航続距離は約60kmとのこと。足立区の千住消防署で活躍しています。

 光岡自動車は、このLike-T3をファーストエイドチームのためだけに作ったのではなく、もともとは 近年増加する小口輸送に特化した商用電気自動車として、2012年8月に型式認定を取得。日本郵便や佐川急便、グリコなどで実際に荷物を運ぶために活躍しているのに加えて、ハウステンボスや旅館、ゴルフ場といった施設でも使われているとのこと。

 法規上ではサイドカーを装着した250cc以下のバイク、側車付軽二輪車に属するため、車検や車庫証明、シートベルト着用義務がないということ、また道交法では普通自動車とみなされ、ヘルメット着用義務がなく普通運転免許で運転できるという、軽自動車と原動機付自転車の中間という位置付けとなるのがLike-T3だといいます。

 実際に千住消防署では、軽自動車でも通行が難しいような路地などが多く残る地域のため、住民から「万一の災害時の安心感が高まった」といった声があがっているそう。災害現場に1秒でも早く駆けつけ、必要な処置をおこなって救命の効果を高めるとともに、あとからくる部隊が活動しやすい状況を整える使命を背負ったファーストエイドチーム。見た目はかわいくても、とっても頼りになるEVなのでした。


まるも亜希子 MARUMO AKIKO

カーライフ・ジャーナリスト/2024-2025日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
MINIクロスオーバー/スズキ・ジムニー
趣味
サプライズ、読書、ホームパーティ、神社仏閣めぐり
好きな有名人
松田聖子、原田マハ、チョコレートプラネット

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