クルマ好きには「サイコー!」だけど普通の人は「うるさっ!」 スーパーカーの排気音はめちゃめちゃ大きく感じるけどなぜ車検に通る? (2/2ページ)

止まってる状態だとじつはあまりうるさくない!?

 また、車検=継続審査の際の音量測定では、マフラーの経年劣化等を考慮して「新車時の近接排気騒音(車検証等に記載)に5dB を加えた値以下であること」(平成28年騒音規制)が条件になっている。

 したがって、ミッドシップやRRなら、近接排気騒音が100db以下なら、継続審査=車検を合法としてクリアできるというわけだ。

 さらに、この近接排気騒音は、暖機運転が終わっている状態のクルマのマフラーの出口から45度の角度で50cm離れた位置へ計測器を置き、停止状態でギヤをニュートラルにしてエンジンをまわし最高出力を発揮する回転数の75%で5秒間保持し、最大値を測定するのがルール。

 ピークパワーを7500回転で発生させるエンジンなら、5625回転で測定するわけだが、停止時でギヤがニュートラルであれば、5000回転でも6000回転でほとんど負荷はかかっておらず、アクセル開度もかなり低い状態。

 サーキットで全開全負荷でフル加速するときは爆音だとしても、この近接排気騒音を測定する条件下では、100dbに達することは稀なので、加速中の音を聞くと「大きな音だな」と思うようなクルマでも、保安基準はクリアしている適法車がほとんどだ。

 さらに、純正マフラーに音量を切り替える可変バルブがついている車種もあり、スポーツモードに切り替えない限り、かなり静かだったりもする。

 もっとも、今後は一段と厳しい音量規制(フェーズ3)の導入が見込まれているため、スーパーカーならではの甲高い咆哮は、絶滅危惧種になっていく可能性は否めない……。


藤田竜太 FUJITA RYUTA

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