FSWはもともと左回りのオーバルの計画だった! サーキットに右回りと左回りがある理由 (2/2ページ)

富士スピードウェイはオーバルコースの計画だった!

 強く意識しているドライバーは多くない印象があるが、ドライバーによっては好き嫌いがあるかもしれない。

 ちなみに、富士スピードウェイは、建設の初期段階ではアメリカ・フロリダ州のデイトナ・インターナショナル・スピードウェイの姉妹コースという構想だった。実際、筆者は当時の完成予想図を、デイトナのNASCAR本部で見ている。その資料によれば、コースレイアウトはデイトナと同じような、左まわりのD型オーバルコース。ターン1~ターン2,またターン3〜ターン4は約30度のバンク角が設定されていた。

 だが、開発初期段階で事業資金がショートしたり、また先行して開業していた鈴鹿サーキットが欧州型コースレイアウトで事業が成功していたことなどから、富士スピードウェイについては急遽設計を見直して右まわりのロードコースに変更されたと、当時を知る日本モータースポーツ業界の重鎮(故人)から筆者は直接聞いている。

 つまり、現在の富士スピードウェイのメインストレートは、初期構想におけるD型オーバルコースのバックストレートに相当する。そして、開業から10年間に渡り、富士スピードウェイの名物だった30度バンクは、D型オーバルコースのターン3〜ターン4に相当する。

 そんな左まわりD型オーバルコースの名残りとして、コース名称にはアメリカでオーバルコースを指すことが多い「スピードウェイ」が使われているのだ。


桃田健史 MOMOTA KENJI

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