この記事をまとめると
■Mクラスミニバンの3モデル「ノア&ヴォクシー」「セレナ」「ステップワゴン」を比較
■シートアレンジ、静粛性、先進安全装備などあらゆる面から各モデルを考察する
■各モデル、いい面と悪い面が異なるので、ライフスタイルに合わせて選ぶのがカギだ
大激戦区のMクラスミニバンをジャッジ!
日本のファミリーカーの代表格の1ジャンルが、Mクラスボックス型ミニバンだ。3列シート、両側スライドドアを備え、室内は広々。家族総出のドライブ、2世代、3世代のお出かけ、子どものお友達を誘っての休日のお出かけなどに最適で、3列目席を格納すれば大空間ワゴンとしても利用でき、その使い勝手の自由度は限りない。
そのMクラスボックス型ミニバンは現在、最新世代が揃っている。つまり、トヨタ・ノア&ヴォクシー、ホンダ・ステップワゴン、日産セレナである。おおまかに言うと、ノア&ヴォクシーはついにプラットフォームを一新した4代目で、トヨタ最新の先進技術、カラクリを使った便利機能満載。ガソリン車とトヨタ自慢のHVを用意する。ステップワゴンは現在の6代目で全車3ナンバーのサイズアップを果たし、大人しめかつ初代をオマージュしたとも言える標準車と、おなじみのスパーダを用意。ガソリン車もあるが、メインはe:HEVと呼ばれるHVモデルだ。
全車8人乗りとなるセレナは基本部分を先代からキャリーオーバーしつつ、中身を徹底的に磨き上げた新型で、クラス唯一、5ナンバーで乗れる標準車と、セレナの代名詞にもなっているエアロ仕様のハイウェイスターが揃う。パワーユニットはガソリンもあるが、100%電動駆動のe-POWERがメイン。さらに、同一車線内全車速域ハンズオフなど高度な先進運転支援技術を実現したプロパイロット2.0を装備した最上級グレードのルキシオンを用意する。
ここでは、それぞれのミニバンの特徴を紹介するとともに、どんなニーズ、どんな人に、どれが最適かを、すべての車種でのロングドライブの経験もある筆者がリポートしたい。
まずは、アルファードやヴェルファイア並みの顔つきの迫力、押し出し感が欲しい……というならヴォクシーがぴったりだ。とにかく新型のヴォクシーの顔つきは先代アルヴェルも真っ青な迫力、押し出し感があり、新しさ、高級感もばっちり。ステップワゴンとセレナの標準車はそれにくらべ、かなり大人しい顔つきだ。
2列目席の豪華さ、居心地の良さで選びたい……というなら、これもノア&ヴォクシーの2列目キャプテンシート仕様である。4代目ヴォクシーの2列目キャプテンシートは、リクライナーを内側に寄せ、シート幅をほんの少し狭めた設計とし、中寄せスライドなしに”ストレート超ロングスライド”を実現。中寄してベンチシート化ができなくなった代わりに、オットマンもあるシートの豪華さ、居心地の上級感はピカイチ。
3列目席はめったに使わないから、3列目席は格納使用が前提……というなら、クラス唯一の3列目席床下収納式のステップワゴンだ。
ノア&ヴォクシーとセレナは3列目席の格納が左右跳ね上げ式で、格納するとリヤクォーターウインドウの視界が制限され、上部の荷室幅が狭まるデメリットがある。ただ、ノア&ヴォクシーの3列目席はワンタッチで跳ね上げ、固定までやってのけるアイディアが光る。頻繁に3列目席を格納、展開する人にはうってつけ。
ステップワゴンの3列目席格納は、戻す際にけっこう力がいる。