中国製とか色メガネで見てると損するぞ! 復活したホンダ・オデッセイは2列目席と装備の進化がスゴイ (2/2ページ)

ミニバンの特等席である2列目席が大幅進化

 そして、最大のハイライトと言えるのがミニバンの特等席となる2列目席。5代目オデッセイの特徴とも言えた、ふんわりしっかりと体をサポートしてくれる極上のかけ心地、快適感が味わえた170度リクライニング、中折れ機構、オットマン付きのプレミアムクレードルシートの基本はそのままに、全タイプに4ウェイパワーシート(オットマンとリクライニング操作のみ)を標準化。

 ミニテーブル付きアームレスト、折り畳み式シートサイドテーブル(右側席サイドにセット)、シートヒーター、足もとのUSBチャージャー(type-C×2)も備わっている。

 また、e:HEV ABSOLUTE EX、e:HEV ABSOLUTE EX BLACK EDITIONは本革シート、ワイヤレス充電器、ハンズフリーアクセスパワーテールゲートなども備わり、5代目オデッセイの商品価値を一部改良で一段と高めたことになる。

 ただし、6代目ステップワゴンe:HEVモデル同様に、車内でノートPCを充電でき、車内外で家電品が使えるAC100V/1500Wコンセントの装備は見送られている(泣/USB PDチャージャーはアクセサリーとして用意)。

 ちなみにセンターディスプレイ&ナビゲーションは、ホンダ純正アクセサリーのギャザズナビのホンダコネクト対応11.4インチと9インチの3タイプが用意されている (先代は最大10インチ)。画面サイズの拡大もポイントだ。※工場オプションのナビはない。

 ホンダの国内販売車の多くに採用されている新世代コネクテッド技術のHonda CONNECTもオデッセイとして初採用。Honda Total Careプレミアムの加入で緊急サポートセンターのサービス(緊急通報ボタン、トラブルサポートボタン)から、スマホを使ったリモート操作のドアロック&アンロック、リモートエアコン、自動地図更新、クルマを探す機能などを基本パックとして月額550円(税込み/初回申し込みから12カ月は無料)で利用できるほか、追加オプションサービスとして車内Wi-Fi(月額330円/1G)などの便利機能を使いこなすことができる。

 日本仕様の5代目オデッセイで気になる人は気になった、電子パーキングブレーキの作動、つまり解除はアクセルONで行えるものの、かける際はスイッチ操作、それも一般的な方向とは逆の操作になる点はそのままだ。一方で、ホンダ車としてはヴェゼルから採用された、オートブレーキホールド機能のメモリー機能はついに実現している!!(祝)

 2021年の生産終了から約2年。先進運転支援機能は日進月歩で進化しているわけだが、ホンダセンシングも最新版を用意。先代の単眼カメラ+レーダーから、100度の広角カメラ+ソナータイプにアップグレード。ソナーのおかげで対象物が拡大し、夜間を含む歩行者、自転車運転者、ガラス(コンビニなどの窓)に対応。オートハイビーム、近距離衝突軽減ブレーキなどもこれまでのオデッセイになかったホンダセンシングの機能である。

 さて、2020年末に最後のビッグチェンジを行った日本仕様のオデッセイに試乗した記憶を蘇らせながらこのオデッセイに乗り込んでみると、運転席、1列目席からの眺めはボタン式のエレクトリックセレクターぐらいの違いでしかないものの、2列目席キャプテンシート(今回はベンチシート仕様なし)に着座してみると、違いは歴然。一部の電動化はもちろん、アームレスト、ミニトレー、折り畳み式テーブルの高級感が新しい。

 記憶ではシート表皮下に20mmほどのウレタン層を用いたシートによるソファ感覚のかけ心地の良さも健在で(フレーム、クッションなどは不変)、2列目席の居心地の良さはなるほどレベルアップ。本革シートだと硬めのかけ心地になる上級キャプテンシートがほとんどだが、このプレミアムクレードルシートを基本とした新シートは、本革使用でもやはり一流であることを再確認。ぜひ座ってその快適度を味わってほしいものだ。

 価格は全車e:HEV、FF、2列目キャプテンシートの7人乗りで、e:HEV ABSOLUTE 480万400円。本革シートを奢るe:HEV ABSOLUTE EX 500万600円。すでに人気NO.1のe:HEV ABSOLUTE EX BLACK EDITIONが516万4500円となる。

 とくにホワイト、ブラックのボディカラーを選択するなら、装備的にはEXと同等ながら、内外装の随所にブラック加飾を施し、一段と精悍な佇まいを演出してくれるe:HEV ABSOLUTE EXのBLACK EDITIONがイチオシだと思える(だから現在、人気NO.1なのだろう)。

 いずれにしても、オデッセイの復活は、ホンダファン、オデッセイファンならずとも、国産上級ミニバンの選択肢を広げてくれる意味もあり、大歓迎すべきことではないだろうか。

 このあと、ホンダ・オデッセイとステップワゴンのパッケージ、2列目席のヘッドクリアランス、ニースペース比較、2021年当時の最終モデルの試乗から予測する最新のオデッセイの走り、さらにホンダアクセスが提供する純正アクセサリーなどについても報告する予定だ。


青山尚暉 AOYAMA NAOKI

2024-2025日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
フォルクスワーゲン・ゴルフヴァリアント
趣味
スニーカー、バッグ、帽子の蒐集、車内の計測
好きな有名人
Yuming

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