クルマがほかにない癒し空間に!
次に、クルマの電動化が進んでくると、とくにBEVは走行中も静かな室内が保たれるわけですが、それを生かして「音」による移動時間の演出を行うモデルが多くなってきました。
たとえばヒョンデIONIQ5に初めて試乗したときには、東京都心からスタートしたのに、今日はやけに鳥のさえずりが多く聞こえるなぁ、なんて思いながら走っていたのですが、それは実際に鳥が鳴いているのではなく、IONIQ5に搭載されている「自然の音」というものだったのです。
ディスプレイのメニューから「自然の音」を選択すると、鳥のさえずりだけでなく、暖炉の音、雨の音、雪が積もる音といった、聞いていて心が癒されるような音がラインアップされています。
これはヒョンデのニューモデルであるKONAではさらに進化していて、「春の訪れ」「夏夜のひととき」「瞑想の時間」といったさまざまなテーマの音が流れるようになっています。好きな音を選んで、移動しながら心を整えられるというのがいいですね。
続いて、音の次は香り。メルセデス・ベンツの多くのモデルには、グローブボックスの内部に「パフュームアトマイザー」が設置できるようになっていて、上質なムードを演出する上質なアロマがたくさん用意されています。
花やウッド、シトラスといった自然の香りもあるのですが、メルセデスらしい香りといえば、AMGらしいエキサイティングなドライビングを演出するための「AMG#63」や、さわやかでスポーティな気分を盛り上げる「SPORTS MOOD」といったものもあります。香りのオン、オフも選べるようになっているので、自分以外の香りが苦手な人が同乗するときでも安心です。
さて、昨今はルーフいっぱいまでガラスになっているような、いわゆるパノラマルーフを採用するモデルが増えている印象ですが、なんといってもメリットは解放感がアップし、室内が明るくなるというところ。後席に座る人の圧迫感もやわらぐので、どの席でも心地よく過ごせる室内になるというのも、人気の理由でしょう。
ただし、夏場などよく晴れている日にずっと乗っていると、いくらUVカット機能があるガラスで、シェードも備えているとはいえ、直射日光恐るべし。エアコンの効きが悪くなってきたり、頭を触ってみると熱くなっていてビックリしたり。やはり、暑さには弱いことがわかります。
でも、トヨタ・ハリアーやレクサスRZなどに採用されているパノラマルーフは、サンシェードを廃止した代わりに、スイッチを押すだけで遮光機能がオンになり、光と熱を遮ってくれるようになっているのです。
これは、シェードレス化にあわせて紫外線99%カットのガラスを採用し、遮熱・断熱効果のある「Low-Eコート」で直射日光や紫外線を遮断して室内を快適に保つことを可能にしているもの。パノラマルーフは欲しいけど、暑いのは困るという人は、これなら安心だと思います。
というわけで、クルマのなかで過ごす時間が多いという人は、ぜひ最新の快適装備に注目してみてくださいね。