「最高速」→「ゼロヨン」ときていまは……最近のクルマの性能指標が「0-100km/h」加速になったワケ (2/2ページ)

2秒台のクルマは名だたるスーパースポーツとBEV

 そのなかに、ブガッティ、ランボルギーニ、フェラーリ、マクラーレン、日産GT-Rらと並んで、市販車ではテスラ、ポルシェのタイカン、ロータスのエメヤやエレトレが名を連ねている。

 かねてからテスラがやってきたのは、シンプルにいうと物量作戦だ。圧倒的なバッテリー容量と高出力のモーターを組み合わせることで、航続距離を長くして動力性能を引き上げた。それが世に大いに受け入れられたことから、同様のアプローチでBEVを開発し市販化したメーカーが、プレミアムブランドを中心に続々と現れた。新興のテスラが既存の自動車メーカーに与えた影響は小さくない。

 2023年秋現在、まだその流れがつづいているのは、メーカー側もユーザー側もそこに魅力を感じているからだろう。

 BEVは本来的にはゼロエミッションを追求するためのものであり、だからこそ優遇されていて、政策的にも普及が後押しされている。にもかかわらず、BEVの性能をあまり0-100km/h加速で表現するというのはどうなのよ、という気もしなくはない。

 それでも、優れている部分をアピールするのは世の常。0-100km/h加速は、ゼロスタートで全開加速して100km/hに達するまでの所要時間ということで、もちろん公道で「全開加速」するのは問題だが、それだけの能力を持ったクルマですよというのを理解するには都合のよいものだ。

 もちろんBEVといえば、まっさきに目が向くのは航続距離だろうから、その航続距離とともに0-100km/h加速が当面はBEVの重要なスペックとして語られていくに違いない。


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