エンジンも完全新規! サスペンションも新設計! 新型スイフトは見た目を除いて「正常進化」の域を超えてるぞ!! (2/2ページ)

新開発エンジンに初採用機能と注目ポイント満載!

 フロントドアを開けると、コクピットの眺めがアップデートされていることに気付く。ステアリングホイールはスイフトファンには見慣れたデザインで、操作系が引き継がれているのは美点。フロントシートはしっかりとしているように感じるだろうが、これはヘッドレストの高さや厚みを先代モデルより増すなど進化させたことが効いている。

 包まれ感のあるインパネ中央には、9インチのメモリーナビもしくはディスプレイオーディオの装着が選択できるようになっている。従来比で140mmも高くしたうえに、ドライバー側に8度(先代は5度)傾けることで画面も見やすくなっている。ブレーキホールド機能付きEPBを採用しているのも、コクピットを眺めていて気付くニュースのひとつだ。

 ブラック×ライトグレーのインテリアでの注目は、インパネからドアトリムをつなぐライトグレーの領域だ。この部分、原着素材に3Dテクスチャーを施すことで、見る角度や光の加減によって立体感を演出する形状となっている。デジタル世代にも刺さる、新しい考え方から生まれたオーナメントだ。

 ボディサイズは全長3860mm(従来比+15mm)×全幅1695mm(同±0mm)×全高1500mm(同±0mm)・ホイールベース2450mm(同±0mm)となっている。いわゆる5ナンバーサイズと呼ばれる小型車枠を守ることで取りまわしの良さは従来どおりだ。ホイールベースが変わっていないことから、メカニズムの基本となるプラットフォームはキャリーオーバーであるとわかるが、外観だけを変えたフルモデルチェンジではない。

 なにしろ、サスペンションについては「タイヤ以外はすべて新設計」というほど。さらに驚くべきはエンジンが完全新設計となっていることだ。

「Z12E」型と名付けられた新エンジンは、総排気量1197cc・圧縮比13.0の“3気筒”エンジン。これまでスイフトといえば小排気量ながら4気筒エンジンを搭載していることで知られていたが、ついに3気筒へとレスシリンダー化を実施した。これはエンジン熱効率を追求するための決断だ。

 エンジンルームを覗き込むと、コンパクトカーとしては大きめのEGRクーラーや、クランク出力とつながっていない電動ウォーターポンプなどが確認できる。もちろん、スズキお得意のマイルドハイブリッドシステムが搭載されていることも確認できた。燃料はポート噴射タイプだが、1気筒あたり2本のインジェクターを使っているのもスズキらしい。

 燃費性能を向上させるべく、ボディ設計において空気抵抗を約4.6%も低減させているというエピソードにも驚かされる。

 トランスミッションは進化したCVTを中心にラインアップするが、スズキのコンパクトカーとして初めてマイルドハイブリッドと5速MTの組み合わせを用意しているのも注目。FF車のWLTCモード燃費を見ると、マイルドハイブリッド+CVTが24.5km/Lとなっているのに対して、マイルドハイブリッド+5速MTでは25.4km/Lと新型スイフトのベスト値となっている。このパワートレインの設定はMT派にとって福音だ。

 グレード構成は、HYBRID MZ、HYBRID MX、XGの3タイプで、5速MTはHYBRID MXに用意される。全グレードにミリ波レーダーと単眼カメラを組み合わせた先進安全機能「デュアルセンサーブレーキサポートII」を標準装備しているのも、最新世代のグローバルコンパクトカーらしいところだ。

 最上級グレードHYBRID MZには、停止保持機能付きの全車速対応ACCやアダプティブハイビームを装備。全方位モニター付メモリーナビゲーション・スズキコネクト対応を装着すると、スズキ初となるドライバーモニタリングシステムも搭載され、居眠りや脇見を警報する機能も備えているのも見逃せない。


山本晋也 SHINYA YAMAMOTO

自動車コラムニスト

愛車
スズキ・エブリイバン(DA17V・4型)/ホンダCBR1000RR-R FIREBLADE SP(SC82)
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モトブログを作ること
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