この記事をまとめると
■タクシーなどで採用されるLPG車は燃料コストが安く環境負荷が小さい
■LPG車は一般人でも購入することができ、ディーラーでのメンテナンスも可能だ
■LPGスタンドが少なく、LPGボンベは6年ごとの検査が必要というデメリットもある
LPG仕様車をマイカーとして乗るために気をつけることは?
タクシーを筆頭とする働くクルマに採用例の多いLPG車。LPGとは液化石油ガスのことで、LPG車は燃料コストが安く環境負荷が小さいというメリットがあるため、走行距離の多いビジネスカーに採用例が多いのだ。
ビジネスカーに多いLPG車だけに一般のユーザーが購入できないと思われているかもしれないが、じつは一般のユーザーも購入することが可能となっている。
現在、国産メーカー製の新車として販売されているLPG車はトヨタのJPNタクシーのみとなっているが、過去に販売されていたLPG車の中古車や、ガソリン/ディーゼル車をベースにLPG車に改造する業者も存在するため、こういったルートで購入することももちろん可能だ。
メンテナンスにおいても、メーカー製として販売されていたLPG車であれば、ディーラーでのメンテナンスを受けることは当然可能で、改造LPG車についても改造メーカーに問い合わせれば、近隣の対応可能な整備工場を紹介してもらえるため、一般的な車両と同じく乗り続けることができるだろう。
ただ、LPGを充填することができるLPGスタンドは全国におよそ1400店舗しかなく、ガソリンスタンドの2.8万店舗に比べて20分の1ほどと極めて少ない。さらに、なかには契約している法人しか使用できないスタンドもあるため、近隣にLPGスタンドがあるかどうかでLPG車を運用していけるかどうかが大きく変わってきてしまう点には注意が必要だ。
また、LPGを充填するためのボンベはある程度のスペースを占有してしまうため、荷室容量などが減少してしまうというデメリットがあるほか、ボンベは車検とは別に6年ごとに検査が必要で、検査にパスしていないとLPGの充填が不可能になってしまうため、こちらの費用も見ておかなければならない。
車両本体価格もJPNタクシーで333万8500円~と、同クラスの1.5リッターハイブリッド車に比べると高額で、ガソリン/ディーゼル車をベースにLPG仕様への改造費用も50万~70万円程度かかるため、いくらLPGの価格が安いとは言ってもランニングコストで車両の価格差を埋めるには、タクシーのように年間で数万kmも走るようなケースでないとなかなか回収できないという点も頭に入れておきたいところ。
とはいえ実際に自家用車としてLPG車を愛用している人も少なからず存在し、現在ではSNSなどで交流もできるので、どうしてもLPG車を保有してみたいという人にとっては心強い存在となりそうだ。