極論言えば「早い者勝ち」!
まず、どうやったらいち早く新車が納車されるのかについて。セールス氏によれば、実際問題、いち早くハンコを押したもの勝ち、らしい。いまは先行予約という予約方法が一般化していて、一般予約の先に、それこそ試乗車がないどころか現車も見ないうちに、プレカタログのみの提示で先行予約を取っているわけだ。
そこで、狙った新車の「試乗記」「新車紹介」記事が、じつは先行予約者の決断理由になっているケースが多いらしい。WEB CARTOPなどの自動車専門媒体では、新車の発表、発売前に、生産車のプロトタイプの試乗記を掲載していることが多い。筆者もその試乗記を書いているひとりだが、クルマによっては発売前に、そうした「試乗記」「新車紹介」記事が掲載されている。
あくまでプロトタイプであり、生産車と一部異なる場合もあるにはあるが、基本的にはそこも記載されている。トヨタbZ4Xのプロトタイプを袖ヶ浦フォレストレースウェイで試乗した記事では(WEB CARTOPではありませんが……)、「静粛性については、現時点で鋭意、修正中であるとのことで、言及しない(ロードノイズはまずまず抑えられていたが、ドアミラーまわりから発生するざわざわした風切り音などが目立った)」という但し書きを加えている。
とにかく、いち早く話題の新車を手に入れたいなら、先行予約の初日の朝イチにハンコを押すことらしいのだ。ただ、試乗もしていない、現車も見ていないため、ある意味賭けになるかもしれないが、たとえば新型トヨタ・アルファードなら、先代モデルの人気ぶりは周知のとおりで、内容も国産ハイエンドミニバンを望む人にとってまったく問題なし。
その新型だから進化しているのは当然で、そこは、自動車専門媒体のいち早い試乗、紹介記事を参考にしつつ、ここではトヨタを、新型アルファードを信じて判を押せる決断ができる人だけが、いち早く手に入れることができるということになる(新型より先代モデルのほうが良かったと思えるクルマも、ごくたまにないでもないのだが……)。
では、「先行予約はいつから?」という疑問が沸くが、これは自動車メーカーのHPに掲載されていることもあるし(オデッセイe:HEVのように、すでにHPで「先行予約受付中」となっているとしたら、時すでに遅し!?)、トヨタの新車狙いの人がトヨタ車に乗っていて、しかも車検が迫っていれば、そのデータから、先行予約のお誘いが待っていなくても来るかもしれない。
あるいは、懇意のセールスマンに、くどいようだが自動車専門媒体の「新型アルファードはいつ発売される?」みたいな記事を参考に、いち早く先行予約開始日を聞き出してみるのもいいだろう。買う気を見せれば、まず先行予約会に案内してくれるはずだ。
あとは、もう一度言うが、初日の朝イチにハンコ持参、である。手ぶらで行ってはいけない。担当セールスがいるなら来場予約も忘れずに。もしかすると、販売店に同じ新車を狙っている輩で溢れ返っているかも知れず、待たされているとどんどん順番(納期)が後まわしになってしまう可能性があるからだ。
一方、いま乗っているクルマと違う自動車メーカーの新車狙いであれば、いずれにしても自動車専門媒体での情報収集が欠かせない。ある程度の発売時期が書いてあれば、やはりいち早く販売店に出向き、「今度出る○○○がぜひ欲しい」と、訴えることだ。連絡先を伝え、先行予約したいと訴えれば、相手も商売、その時点で一見の客であっても、新規顧客獲得もあって、先行予約の案内がくる可能性大だ。
これらの話を聞いたセールス氏によれば、「現車がディーラーに到着し、ショールームに並び、試乗ができる段階では、もう周回遅れ。遅すぎます!!」とのこと。もちろん、いま乗っているクルマを買ったセールス氏とのつながりがあり、同メーカーでの乗り換えであれば、より話が有利に働くことは言うまでもない……。
直近の例では、ホンダのHPのトップに、すでに新型コンパクトSUVのWR-Vが、「2023年12月発表、来春発売予定」と公表されている。もしWR-V狙いなら、WEB CARTOPなどの自動車専門媒体のプレ紹介記事を待ち、来春を待たずに、来年早々にも誰よりも早い納車に向けて、動き出すのがいいだろう。すでにグレード展開、内外装デザイン、ボディカラー、ラゲッジルームの寸法、後席にエアコン吹き出し口があること、足もとも広々そうなこと、コネクティッド機能や先進運転支援機能のホンダセンシングの全容、純正アクセサリーなどについて確認することができる。
ちなみに、先のセールス氏が「最終手段」として教えてくれたのは、新車発表、発売時期からやや時間が経った場合に限られるのだが、展示車を新車として買うこと(試乗車は中古車となるからここでは割愛)。ボディカラーやオプションなどは選べず、いらないオプションも満載だったりするのが難点だが、工場の生産遅延など関係なく、現車をいち早く手に入れることができるひとつの手段になる。偶然にも、お気に入りのボディカラーで、欲しいオプションが付いていれば、ラッキーではないか!