この記事をまとめると
■クルマに雷が直撃したらどうなるのか
■クルマにも落雷することがあるが基本的には乗員に直接的な被害はない
■落雷の影響で車両制御のコンピュータが壊れる場合があることは念頭におくべき
車内にいて乗員が感電したという話を聞かない
まばゆい閃光、ゴロゴロという雷鳴に続き、ドカンという耳をつんざくような爆発音を発する落雷。好きな人はいないだろうが、とくに苦手な人にとっては生きた心地のしない、それこそ恐怖の自然現象と言ってもよいだろう。
では、この落雷だが、クルマに落ちることはないのだろうか? 仮に落ちたとして、その時は甚大な影響を被ることになるのだろうか? 雷が発生する状況でクルマに乗っている人間にとっては、非常に気になることかもしれない。そこで、落雷について調べてみることにした。
まず落雷だが、このメカニズムについて考えてみることにした。雷そのものは、雲の中のある水滴や氷の粒が性質の違いによって正と負に分かれて帯電。ここに溜まった電荷によって発生する大きな電位差を解消するため、地上に向かって電荷を放出する現象、これが落雷である。簡単に言えば、空中の溜まった電気が容量を超したことで保留できなくなり、地上に放出される現象が雷、落雷ということになる。
次に、クルマに対する落雷の有無だが、これはケースとしてそれほど多くないが、自動車にも間違いなく落雷する。だが、自動車への落雷によって乗員が感電死したという話はほとんど聞いたことがない。どうしてなのだろうか?
これは、落雷した電気の流れをたどってみるとわかるのだが、車両の高い位置、ほとんどの場合がルーフになるが、雷はここに落ち、その後はボディパネルを伝わってタイヤから地面に抜ける、という電気の流れ方をする。