中国のBYDはバスの世界でも脅威のフットワーク! JAPANの頭文字「J」を付けたEVバスで日本獲りを狙う (2/2ページ)

いすゞの新型EVバスに対しても対抗馬を用意する徹底ぶり

 発表会でも、BYDサイドからは人口減少社会が進んでいく日本にあっては、今後は中型バスのニーズが高まっていくだろうとの話も出ていた。

 日本国内のバスの規格は国際的に見て、まさに「ガラパゴス」状態。そのため、日系バスメーカーが生産したバスを正規輸出して販売することは、一部地域向けのマイクロバス以外はほぼ不可能。逆に、外資バスメーカーが日本国内でバスを輸入販売するためには、日本の規格に合わせる必要が出てくる。細かい話だが、諸外国では非常出口は天井部に設置されるが、日本では運転席側後方への設置義務がある。

 BYDは小型バスのJ6、そして今回のJ7はとくに日本市場向けに変更を加えている。それだけ日本市場を重視しているとともに、増していく中型バス需要をしっかりとらえようとしている、市場調査力とそのスピード感ある動きというのにも感心させられる。

 また、発表会後半には、「e-Platform 3.0」というものも紹介された。自社の現行大型路線バスとなるK8と比較して40%定重心化、18%剛性アップ、9%シャシー重量低減を実現した新世代シャシーとなるようだ。最後にこのe-Platform3.0を採用した新型車両を2026年に日本市場に投入することも予告していた。

 10月末から11月上旬にかけて開催された「ジャパンモビリティショー」会場内で、いすゞはBEVフルフラット路線バス「ERGA EV(エルガEV)」を世界初公開している。あくまで私見で述べれば、「弊社(BYD)も近々新しいBEV路線バスを出しますよ」と、いすゞをけん制しているようにも見えた。

 いかにも中国企業らしいフットワークの軽さにはいつもながら感心させられてしまった。


小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

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