バトルがないからレースに比べて楽しめない……なんて言ってちゃ人生損してる! ラリージャパンに見る「ラリー」観戦の楽しみ方 (2/2ページ)

ラリーの見どころは本気アタックだけじゃない

 また、SS以外でもラリー競技は観戦可能で、なかでもリエゾンと呼ばれる移動区間はおすすめのポイントといえる。リエゾンでは交通ルールに合わせて制限速度で走行していることから、迫力ある走りを見ることはできないが、各チームの最新ラリーカーを至近距離で観戦できるところが最大の魅力。

 しかも、駅前の市街地や紅葉の美しい幹線道路、お寺や神社などのシンボリックな建物の前などラリールートに合わせて好みのシチュエーションで観戦可能である。なかでもラリージャパンの名物リエゾンとなっているのが岐阜県恵那市の岩村町本通りで、日本の伝統的街並みを各ワークスチームのRally1ハイブリッドが通過していくシーンはなかなか風情のある光景で、2023年の大会でも多くのギャラリーが訪れていた。

ラリージャパンの名物リエゾン「岐阜県恵那市の岩村町本通り」

 もちろん、サービスパークでは各チームのメカニックの神業技術を満喫可能で、この緊張感のある作業シーンもラリー観戦のポイントと言っていい。事実、2023年の大会でも17日のデイ2のサービスBで語り継がれる名シーンが誕生。SS2でクラッシュを演じた勝田貴元選手のGRヤリスRally1ハイブリッドをトヨタGAZOOレーシングWRTのメカニックたちが修復に挑み、わずか40分という限られた時間ながら、完璧なリペアを行い、勝田選手をセカンドループへ送り出したのである。

ラリージャパンのトヨタのサービスパーク

 作業終了後、メカニックたちのこの神業に多くのファンが拍手を贈っていたが、こういったメカニックたちのサービス作業もラリー競技のひとつの見どころとなっている。

 そのほか、近年、WRCではライブ放送が充実しているので、現地に行けない場合は、公式映像やスポーツ専門チャンネルで観戦するのも、ひとつの手段。

 とはいえ、競技車両のサウンドや臨場感を楽しみたいファンはやはり現地での観戦が一番だ。ここで紹介したように、サーキットで行われるレース競技と違ってラリー競技はSS、リエゾン、サービスパークと観戦ポイントが多岐に渡るだけに、2024年のラリージャパンでは、観光やドライブを兼ねて好みのスタイルで観戦してみてはいかがだろうか?


廣本 泉 HIROMOTO IZUMI

JMS(日本モータースポーツ記者会)会員

愛車
スバル・フォレスター
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登山
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